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医師国家試験とは&最新情報

最新医師国家試験情報

第119回医師国家試験の施行

  • 試験期日

    令和7年2月8日(土曜日)及び9日(日曜日)

  • 試験地

    北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県及び沖縄県

  • 試験内容

    臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能

  • 受験資格

    1. 学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者(令和7年3月10日(月曜日)までに卒業する見込みの者を含む。)
    2. 医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経たもの(令和7年3月10日(月曜日)までに実地修練を終える見込みの者を含む。)
    3. 外国の医学校を卒業し、または外国で医師免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)または(2)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定したもの
    4. 沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令(昭和47年政令第108号)第17条第1項の規定により医師法の規定による医師免許を受けたものとみなされる者であって、厚生労働大臣が認定したもの
  • 受験手続

    1. 試験を受けようとする者は次の書類等を提出すること。

      ア すべての受験者が提出する書類等

      (ア)受験願書
      医師法施行規則(昭和23年厚生省令第47号)第3号書式により作成するとともに、受験願書に記載する氏名は、戸籍(中長期在留者については在留カードまたは住民票、特別永住者については特別永住者証明書または住民票、短期在留者については旅券その他の身分を証する書類)に記載されている文字を使用すること。

      (イ)写真
      出願前6月以内に脱帽正面で撮影した縦6センチメ-トル、横4センチメ-トルのもので、その裏面に「(イ)」の記号、撮影年月日及び氏名を記載し、厚生労働省または医師国家試験運営本部事務所若しくは医師国家試験運営臨時事務所において交付する受験写真用台紙に貼り付けた上、同台紙に所定の事項を記入して提出すること。
      なお、写真の提出にあたっては、卒業し、若しくは在籍している大学または医師国家試験運営本部事務所若しくは医師国家試験運営臨時事務所において、その写真が受験者本人と相違ない旨の確認を受けること。
      ※郵送により本人確認を受ける際は、写真が付してある身分証明書等(コピー不可。個人番号カード不可)及び(ウ)とは別に返信用封筒(郵便番号、宛先及び宛名を記載し、身分証明書等の返送に必要な郵便切手を貼り付け、書留の表示をしたもの)を同封すること。

      (ウ)返信用封筒
      縦23.5センチメートル、横12センチメートルのもので、表面に、郵便番号、宛先及び宛名を記載し、590円(定形郵便110円+一般書留480円)の郵便切手を貼り付け、書留の表示をすること。

      イ 4の(1)に該当する者が提出する書類 卒業証明書または卒業見込証明書
      この場合、卒業見込証明書を提出した者にあっては、令和7年3月10日(月曜日)午後2時までに卒業証明書を提出すること。

      ウ 4の(2)に該当する者が提出する書類
      医師国家試験予備試験の合格証書の写し(医師国家試験運営本部事務所または医師国家試験運営臨時事務所に合格証書の原本を提示し、原本照合を受けたもの)または合格証明書及び実地修練施設の長の発行する実地修練を終えたことを証する書面または実地修練を終える見込みであることを証する書面
      なお、実地修練を終える見込みであることを証する書面を提出した者にあっては、令和7年3月10日(月曜日)午後2時までに実地修練を終えたことを証する書面を提出すること。
      ※郵送により原本照合を受ける際は、医師国家試験予備試験の合格証書の原本及び返信用封筒(郵便番号、宛先及び宛名を記載し、合格証書の原本の返送に必要な郵便切手を貼り付け、書留の表示をしたもの)を同封すること。

      エ 4の(3)または(4)に該当する者が提出する書類
      医師国家試験受験資格の認定書の写し(医師国家試験運営本部事務所または医師国家試験運営臨時事務所に当該認定書の原本を提示し、原本照合を受けたもの)
      ※郵送により原本照合を受ける際は、医師国家試験受験資格の認定書の原本及び返信用封筒(郵便番号、宛先及び宛名を記載し、認定書の原本の返送に必要な郵便切手を貼り付け、書留の表示をしたもの)を同封すること。

    2. 受験に関する書類の受付期間、提出場所等

      ア 受験に関する書類は、令和6年11月1日(金曜日)から同年11月29日(金曜日)までに提出すること。

      イ 受験に関する書類を郵送する場合の提出先は、医師国家試験運営本部事務所とする。

      ウ ただし、下記に掲げる医師国家試験運営臨時事務所においては、受験に関する書類を直接持参する場合について、その提出を受け付けることとする。
      北海道 ランスタッド・札幌支店
      宮城県 ランスタッド・仙台支店
      東京都 ランスタッド・試験監督事業部
      愛知県 ランスタッド・名古屋伏見事業所
      大阪府 ランスタッド・難波支店
      広島県 ランスタッド・広島支店
      香川県 ランスタッド・高松支店
      福岡県 ランスタッド・福岡支店
      沖縄県 人材派遣センターオキナワ

      エ 受験に関する書類を直接持参する場合の受付時間は、アの期間中毎日(土曜日、日曜日その他の行政機関の休日を除く。)午前9時から午前12時までと、午後1時から午後5時までとする。

      オ 受験に関する書類を郵送する場合は、書留郵便をもって送付すること。この場合、令和6年11月29日(金曜日)までの消印のあるものに限り受け付ける。

      カ 受験に関する書類を受理した後は、受験に関する書類の返還及び受験地の変更は認めない。

    3. 書類の提出については次のことに注意すること。

      ア 4の(1)に該当する者で卒業見込証明書を提出したものにあっては、令和7年3月10日(月曜日)午後2時までに卒業証明書の提出がなされないときは、当該受験は原則として無効とする。

      イ 4の(2)に該当する者で、実地修練を終える見込みであることを証する書面を提出したものにあっては、令和7年3月10日(月曜日)午後2時までに実地修練を終えたことを証する書面の提出がないときは、当該受験は原則として無効とする。

    4. 受験手数料

      ア 受験手数料は、15,300円とし、受験手数料の額に相当する収入印紙を受験願書に貼ることにより納付すること。この場合、収入印紙は消印しないこと。

      イ 受験に関する書類を受理した後は、受験手数料は返還しない。

    5. 受験票の交付

      受験票は、郵送により交付する(令和7年1月上旬発送予定)。なお、令和7年1月27日(月曜日)までに受験票が到着しない場合は、医師国家試験運営本部事務所に問い合わせること。

  • 合格者の発表

    試験の合格者は、令和7年3月14日(金曜日)午後2時に厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページにその受験地及び受験番号を掲載して発表する。

  • 受験に伴う配慮

    視覚、聴覚、音声機能または言語機能に障害を有する者で受験を希望する者は、令和6年10月1日(火曜日)までに医師国家試験運営本部事務所に「国家試験の受験に伴う配慮事項申請書」を用いて申し出ること。申し出た者については、受験の際にその障害の状態に応じて必要な配慮を講ずることがある。

  • 手続及び問い合わせ先

    1. 試験に関する手続及び問い合わせ先は下記のとおりとする。
      医師国家試験運営本部事務所
      東京都江東区有明3丁目6番11号
      TFTビル東館7階
      郵便番号 135-0063
      電話番号 03(5579)6903
    2. 5の(2)のアの期間に、受験に関する書類を直接持参する場合の提出先は下記の試験地を管轄する医師国家試験運営臨時事務所とする。
      ※医師国家試験運営臨時事務所での電話受付は行っておりません。電話での問い合わせは医師国家試験運営本部事務所(03-5579-6903)へお願いします。

    試験地 医師国家試験運営臨時事務所
    北海道 ランスタッド・札幌支店 国家試験係
    北海道札幌市中央区北四条西4丁目1番3号
    伊藤ビル5階 電話番号 03(5579)6903
    宮城県 ランスタッド・仙台支店 国家試験係
    宮城県仙台市青葉区中央1丁目2番3号
    仙台マークワン15階 電話番号 03(5579)6903
    東京都
    新潟県
    ランスタッド・試験監督事業部 国家試験係
    東京都江東区有明3丁目6番11号
    TFTビル東館7階 電話番号 03(5579)6903
    愛知県
    石川県
    ランスタッド・名古屋伏見事業所 国家試験係
    愛知県名古屋市中区栄1丁目24番15号
    JPR名古屋伏見ビル2階 電話番号 03(5579)6903
    大阪府 ランスタッド・難波支店 国家試験係
    大阪府大阪市浪速区難波中2丁目10番70号
    パークスタワー10階 電話番号 03(5579)6903
    広島県 ランスタッド・広島支店 国家試験係
    広島県広島市中区本通6番11号
    明治安田生命広島本通ビル8階 電話番号 03(5579)6903
    香川県 ランスタッド・高松支店 国家試験係
    香川県高松市番町1丁目6番8号
    高松興銀ビル8階 電話番号 03(5579)6903
    福岡県
    熊本県
    ランスタッド・福岡支店 国家試験係
    福岡県福岡市中央区天神1丁目6番8号
    天神ツインビル9階 電話番号 03(5579)6903
    沖縄県 人材派遣センターオキナワ 国家試験係
    沖縄県那覇市久茂地1丁目7番1号
    琉球リース総合ビル9階 電話番号 03(5579)6903
  • 受験願書等の請求方法について(受験願書配布時期 令和6年10月中旬以降)

    受験願書を含め、受験手続きに必要な書類は各大学において入手する方法の他に、下記の方法により、医師国家試験運営本部事務所若しくは医師国家試験運営臨時事務所または厚生労働省からも入手することができる。

    1. 郵送による請求
      下記要領1~3により、医師国家試験運営本部事務所(請求先住所等は8の(1)のとおり)または厚生労働省医政局医事課試験免許室宛て請求すること。なお、手元に到着するまで、1週間程度かかることから、早めに請求すること。

      要領1 返信用封筒の作成

      ・封筒の大きさ

      角2(縦33cm×横24cm、A4版の用紙が折らずに入るもの)

      ・封筒表面には下記(1)~(3)を必ず記載すること。

      (1)返信先(請求者)の郵便番号
      (2)   〃    住所
      (3)   〃    氏名

      *記載漏れ等がある場合には返信できないこともあるので注意すること。

      ・封筒に180円切手を貼付すること(普通郵便物、定形外郵便物、100gまで)(1部、60g程度)。

       なお、速達郵便で請求する場合は480円切手を貼付すること。

      要領2 願書請求用紙の作成

      ・願書請求用紙を印刷し、必要事項を記載

       *以下3点を記載したメモ用紙でも差し支えないが、記載漏れ等がある場合には返信できないこともあるので注意すること。
      ・請求を希望する職種(医師)
      ・必要部数
      ・請求者情報(氏名・連絡先(自宅電話番号、携帯番号等))

      要領3 要領1により作成した返信用封筒及び要領2により作成した請求用紙の郵送

      要領1により作成した返信用封筒と要領2により作成した請求用紙を封筒に入れ、医師国家試験運営本部事務所または厚生労働省医政局医事課試験免許室あて請求すること。作成した返信用封筒は折り曲げて差し支えない。郵送する封筒の大きさは問わない。ただし、切手料金不足があった場合は、受領できないことがあるので注意すること(普通郵便物、定形郵便物、50gまで、110円切手)。
      以下の資料を送付するので、受領後、送付物を確認すること。

      (1)受験願書
      (2)受験要領
      (3)受験写真用台紙

    2. 窓口での請求
      医師国家試験運営臨時事務所(所在地は8の(2)のとおり)または厚生労働省の受付窓口(医政局医事課試験免許室)にて、希望する職種(医師)について必要部数を請求すること。
      ただし、庁舎へ入館する際に写真付身分証の提示が必要になる場合がある。また、中央合同庁舎第5号館に入館の際は訪問先の担当職員への事前登録と、写真付身分証が必要になるので注意すること。

      窓口は行政機関の休日を除く、午前9時から午前12時までと午後1時から午後5時までであること。
      また、駐車場は利用できないため他の交通機関を利用すること。
  • 災害等の対応について

    災害等によって国家試験の時間等に変更が生じた場合は、厚生労働省ホームページに掲載する。

  • 試験委員

    第119回医師国家試験 試験委員(令和6年7月1日発表)

    氏名
    委員長金城 紀与史
    副委員長福島 裕之
    委員
    青木 茂赤坂 憲秋岡 祐子
    朝比奈 真由美荒川 敏井口 清太郎
    石木 寛人石毛 美夏石島 旨章
    石丸 裕康市場 正良稲葉 裕
    稲森 正彦犬飼 道雄井上 茂
    井濱 容子今村 英仁岩﨑 真一
    岩瀬 明上原 由紀宇於崎 宏
    大塚 崇大平 善之大脇 哲洋
    岡崎 賢岡山 雅信小川 弘子
    尾島 俊之小田原 俊成小野 政徳
    加治 建金沢 景繁金子 祐子
    河内 泉菊池 健太郎岸邊 美幸
    北島 美香栗田 浩樹古和 久朋
    近藤 英治齋藤 登坂上 拓郎
    櫻井 大樹佐々木 陽典佐治 久
    佐田 憲映佐々 直人佐野 厚
    島村 和男杉浦 一充鈴木 映二
    鈴木 麻衣鈴木 亮外園 千恵
    高月 晋一髙橋 愼一高橋 宏典
    竹島 太郎谷垣 伸治多林 孝之
    筑田 博隆知花 なおみ辻 哲也
    土屋 静馬時松 一成猶木 克彦
    長江 千愛中川 義久長田 太助
    中村 京太中村 桂子名越 究
    西尾 妙織西尾 善彦西山 充
    野口 輝夫野崎 実穂野村 恭子
    馳 亮太長谷川 俊史秦 広樹
    福原 浩藤野 善久北條 麻理子
    堀 寧本多 奈美牧野 真太郎
    三井 貴彦三原 弘三牧 正和
    宮城 悦子武笠 晃丈村田 顕也
    森 龍彦森下 英理子守谷 俊
    八重樫 牧人安岡 秀剛安田 真之
    矢野 晴美八尋 英二山口 順子
    山口 泰弘山﨑 悦子山田 隆之
    山本 俊幸横堀 將司萬 知子
    渡辺 昌文

    ※五十音順(敬称略)

    ※個人情報保護の観点から、所属、担当回、専門領域は掲載いたしません。

    ※ 出典 厚生労働省HP・「医師国家試験の施行について」(厚生労働省)
    http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/ishi/

    ※参考 厚生労働省HP・「令和6年版医師国家試験出題基準について」(厚生労働省)
    医師国家試験出題基準
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000128981_00001.html

第119回医師国家試験 合格発表

■第119回合格発表日
発表後に更新いたします。

■第119回合格率
発表後に更新いたします。

■第119回合格基準
発表後に更新いたします。

第119回医師国家試験 大学別合格率

発表後に更新いたします。

第119回医師国家試験 概要

■時間割
発表後に更新いたします。

医師国家試験とは

受験資格

医師国家試験は、日本で医師として働くために必要な医師免許を取得するための国家試験です。大学で6年間の医学部課程を修了し、卒業資格を得た人が受験できます。
また、海外の医学校を卒業した人、海外で医師免許を取得した人は、厚生労働省の「医師国家試験受験資格認定」の審査を通過することで、医師国家試験を受験することができます。

試験日程

試験は年に1度、2月の「土日2日間」の日程で行われます。

受験手続

医師国家試験へ出願するには、出願書類を用意し、11月中に「医師国家試験運営本部事務所」への提出することが必要です。

現役生は、各大学が書類を手配や出願を取りまとめてくれるケースが多いですが、既卒生などの個人申込の場合は自分で書類の手配や出願をする必要があります。

受験票の交付は、現役生は大学がとりまとめて受領し、個人申込の場合は1月下旬に郵送されてきます。

合格率・合格基準

<合格率>
約10,000人が受験し、その合格率は例年90%前後です。

<合格基準>
医師国家試験合格のためには以下3項目の基準を満たす必要があります。

  1. 必修問題は80%以上の得点(絶対基準)
  2. 必修を除く一般/臨床問題の得点がボーダー以上(相対基準)
  3. 禁忌肢の選択が基準数以下(絶対基準)

必修問題を80%以上の得点とすること、禁忌肢の選択を基準数以内におさえること、必修を除いた一般/臨床問題をボーダー以上得点することではじめて医師国家試験に合格となります。

試験概要

2日間で合計400問、試験時間計13時間40分です。
1月に交付される受験票にて、その年の時間割を確認できます。

問題構成

問題形式は、医師に最低限必要な知識が問われる「必修」、疾病ごとの知識を問われる「各論」、疾患を跨いで横断的な知識が問われる「総論」の3つに分類され、それぞれ症例ではなくあるキーワードについての知識が問われる「一般問題」と、症例文を読み、それについての所見や対応が問われる「臨床問題」から構成されます。

<必修>
50問×2日間の計100問。一般問題25問、臨床問題25問で構成されます。
基本的知識だからこそ、合格ライン8割(得点160点/200点)という絶対基準が設定されています。

<各論>
75問×2日間の計150問。一般問題15問、臨床問題60問で構成されます。
疾患の症状や検査、診断、治療などのテーマ。科目別、臓器別に分類され、個々の疾患に対する知識が問われます。

<総論>
75問×2日間の計150問。一般問題35問、臨床問題40問で構成されます。
解剖、生理、症候、検査、治療、診察、保険医学、法律といった、医学・医療全体に関わるテーマ。基礎的な知識と各科目を横断する幅広い知識が問われます。

試験の傾向

医師国家試験は、医師に求められるものの変化にあわせて出題傾向も変化してきました。第118回からは新しいガイドラインとなり、近年社会的に注目されている概念や、実臨床を意識した問題からの出題が見られるなど、新しい知識を求められるケースも多くなっています。

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第118回
医師国家試験情報はこちら

第118回医師国家試験 合格発表

■第118回合格発表日
2024年3月15日(金)

■第118回合格率
受験者数: 10,336名 > 合格者数:9,547名 > 合格率: 92.4%

■第118合格基準
第118回医師国家試験の合格基準は、必修問題は一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、各々1問1点とした上で、(1)から(3)のすべての合格基準を満たした者を合格とする。

(1) 必修問題を除いた一般問題
および臨床実地問題
230点以上/300点
(2) 必修問題 160点以上/200点
(3) 禁忌肢問題選択数 3問以下

第118回医師国家試験 大学別合格率

大学名 総数 新卒 既卒
出願者数 受験者 合格者 合格率 出願者数 受験者 合格者 合格率 出願者数 受験者 合格者 合格率
北海道大学 124 122 110 90.2% 115 113 107 94.7% 9 9 3 33.3%
旭川医科大学 151 150 134 89.3% 133 133 125 94.0% 18 17 9 52.9%
弘前大学 164 163 144 88.3% 147 147 136 92.5% 17 16 8 50.0%
東北大学 142 140 135 96.4% 131 130 127 97.7% 11 10 8 80.0%
秋田大学 134 134 129 96.3% 128 128 126 98.4% 6 6 3 50.0%
山形大学 130 129 124 96.1% 116 116 114 98.3% 14 13 10 76.9%
筑波大学 143 142 137 96.5% 137 136 132 97.1% 6 6 5 83.3%
群馬大学 140 139 135 97.1% 129 129 129 100.0% 11 10 6 60.0%
防衛医科大学校 82 72 70 97.2% 76 66 64 97.0% 6 6 6 100.0%
千葉大学 115 115 111 96.5% 108 108 106 98.1% 7 7 5 71.4%
東京大学 129 127 116 91.3% 118 118 111 94.1% 11 9 5 55.6%
東京医科歯科大学 115 112 107 95.5% 109 107 104 97.2% 6 5 3 60.0%
新潟大学 127 126 118 93.7% 120 119 116 97.5% 7 7 2 28.6%
富山大学 118 114 106 93.0% 112 109 104 95.4% 6 5 2 40.0%
金沢大学 142 138 126 91.3% 125 121 117 96.7% 17 17 9 52.9%
福井大学 127 125 117 93.6% 122 120 115 95.8% 5 5 2 40.0%
山梨大学 128 124 117 94.4% 116 112 109 97.3% 12 12 8 66.7%
信州大学 123 122 113 92.6% 113 112 109 97.3% 10 10 4 40.0%
岐阜大学 120 120 112 93.3% 112 112 108 96.4% 8 8 4 50.0%
浜松医科大学 125 125 118 94.4% 119 119 113 95.0% 6 6 5 83.3%
名古屋大学 114 113 108 95.6% 104 103 103 100.0% 10 10 5 50.0%
三重大学 139 137 129 94.2% 133 133 127 95.5% 6 4 2 50.0%
滋賀医科大学 129 124 116 93.5% 124 119 114 95.8% 5 5 2 40.0%
京都大学 125 123 111 90.2% 108 108 103 95.4% 17 15 8 53.3%
大阪大学 119 118 110 93.2% 107 107 104 97.2% 12 11 6 54.5%
神戸大学 134 133 126 94.7% 122 122 120 98.4% 12 11 6 54.5%
鳥取大学 129 128 117 91.4% 120 120 111 92.5% 9 8 6 75.0%
島根大学 114 114 103 90.4% 97 97 93 95.9% 17 17 10 58.8%
岡山大学 132 129 120 93.0% 120 118 113 95.8% 12 11 7 63.6%
広島大学 133 130 119 91.5% 116 116 113 97.4% 17 14 6 42.9%
山口大学 119 119 108 90.8% 109 109 103 94.5% 10 10 5 50.0%
徳島大学 126 126 111 88.1% 122 122 111 91.0% 4 4 0 0.0%
香川大学 124 123 114 92.7% 118 117 110 94.0% 6 6 4 66.7%
愛媛大学 118 118 108 91.5% 111 111 105 94.6% 7 7 3 42.9%
高知大学 128 127 112 88.2% 118 118 109 92.4% 10 9 3 33.3%
九州大学 131 129 111 86.0% 120 119 105 88.2% 11 10 6 60.0%
佐賀大学 105 103 98 95.1% 99 97 95 97.9% 6 6 3 50.0%
長崎大学 137 136 122 89.7% 125 125 116 92.8% 12 11 6 54.5%
熊本大学 129 119 111 93.3% 115 107 103 96.3% 14 12 8 66.7%
大分大学 116 113 107 94.7% 103 103 102 99.0% 13 10 5 50.0%
宮崎大学 116 115 106 92.2% 107 106 100 94.3% 9 9 6 66.7%
鹿児島大学 117 113 108 95.6% 105 105 104 99.0% 12 8 4 50.0%
琉球大学 107 107 101 94.4% 100 100 96 96.0% 7 7 5 71.4%
札幌医科大学 121 120 114 95.0% 112 112 107 95.5% 9 8 7 87.5%
福島県立医科大学 136 134 127 94.8% 129 128 125 97.7% 7 6 2 33.3%
横浜市立大学 100 99 96 97.0% 97 96 95 99.0% 3 3 1 33.3%
名古屋市立大学 115 115 113 98.3% 111 111 109 98.2% 4 4 4 100.0%
京都府立医科大学 118 118 111 94.1% 109 109 106 97.2% 9 9 5 55.6%
大阪公立大学 107 107 102 95.3% 102 102 99 97.1% 5 5 3 60.0%
奈良県立医科大学 117 117 106 90.6% 109 109 103 94.5% 8 8 3 37.5%
和歌山県立医科大学 113 113 97 85.8% 107 107 94 87.9% 6 6 3 50.0%
岩手医科大学 136 130 117 90.0% 116 112 105 93.8% 20 18 12 66.7%
自治医科大学 128 122 122 100.0% 127 121 121 100.0% 1 1 1 100.0%
獨協医科大学 128 116 110 94.8% 120 108 104 96.3% 8 8 6 75.0%
埼玉医科大学 136 136 128 94.1% 125 125 119 95.2% 11 11 9 81.8%
杏林大学 124 118 111 94.1% 115 109 108 99.1% 9 9 3 33.3%
慶應義塾大学 115 113 108 95.6% 111 110 108 98.2% 4 3 0 0.0%
順天堂大学 137 136 134 98.5% 137 136 134 98.5% 0 0 0 0.0%
昭和大学 131 129 123 95.3% 125 123 121 98.4% 6 6 2 33.3%
帝京大学 127 122 113 92.6% 103 100 98 98.0% 24 22 15 68.2%
東京医科大学 116 111 108 97.3% 111 106 104 98.1% 5 5 4 80.0%
東京慈恵会医科大学 109 109 100 91.7% 103 103 98 95.1% 6 6 2 33.3%
東京女子医科大学 127 127 117 92.1% 107 107 103 96.3% 20 20 14 70.0%
東邦大学 139 138 128 92.8% 121 121 115 95.0% 18 17 13 76.5%
日本大学 152 148 140 94.6% 129 125 122 97.6% 23 23 18 78.3%
日本医科大学 129 128 126 98.4% 125 125 124 99.2% 4 3 2 66.7%
北里大学 137 120 116 96.7% 130 114 112 98.2% 7 6 4 66.7%
東海大学 154 137 129 94.2% 124 109 109 100.0% 30 28 20 71.4%
聖マリアンナ医科大学 123 121 117 96.7% 109 107 105 98.1% 14 14 12 85.7%
金沢医科大学 131 118 97 82.2% 119 107 92 86.0% 12 11 5 45.5%
愛知医科大学 128 122 118 96.7% 124 120 118 98.3% 4 2 0 0.0%
藤田医科大学 130 123 119 96.7% 126 120 117 97.5% 4 3 2 66.7%
大阪医科薬科大学 122 119 114 95.8% 114 111 108 97.3% 8 8 6 75.0%
関西医科大学 133 132 120 90.9% 122 122 112 91.8% 11 10 8 80.0%
近畿大学 115 106 99 93.4% 109 100 94 94.0% 6 6 5 83.3%
兵庫医科大学 116 114 113 99.1% 113 111 110 99.1% 3 3 3 100.0%
川崎医科大学 161 133 120 90.2% 145 117 107 91.5% 16 16 13 81.3%
久留米大学 129 119 101 84.9% 117 107 97 90.7% 12 12 4 33.3%
福岡大学 131 126 106 84.1% 118 113 96 85.0% 13 13 10 76.9%
産業医科大学 111 100 99 99.0% 109 98 97 99.0% 2 2 2 100.0%
東北医科薬科大学 105 102 97 95.1% 104 101 96 95.0% 1 1 1 100.0%
国際医療福祉大学 133 132 131 99.2% 132 131 130 99.2% 1 1 1 100.0%
認定及び予備試験 274 270 145 53.7% 161 159 94 59.1% 113 111 51 45.9%
総計 10,614 10,336 9,547 92.4% 9,716 9,489 9,048 95.4% 898 847 499 58.9%

第118回医師国家試験 概要

実施日:令和6年2月3日(土曜日)及び4日(日曜日)の2日間実施。

1日目

A 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:65、5肢2択:5、5肢3択:4、計算:1)
B 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
C 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:64、5肢2択:8、5肢3択:1、計算:2)

2日目

D 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:62、5肢2択:8、5肢3択:4、計算:1)
E 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
F 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:64、5肢2択:8、5肢3択:2、9肢1択:1)

第118回医師国家試験 総評

第118回医師国家試験が終了いたしました。受験生の皆様、2日間大変お疲れ様でした。
昨年新しい医師国家試験出題基準(ガイドライン)が公開され、新しいガイドライン下での初めての国試となりました。国試前はガイドライン改訂についての不安を訴える学生も散見されましたが、結果的には例年と大きく変更のない、スタンダードな国試であったと感じます。むしろ、例年少なからず存在する、「専門医でも意見が割れる問題」や「出題者の意図を汲まなければならない問題」は比較的少なく、クオリティは高かったように感じました。

近年の国試は「新しい薬剤や近年注目されている概念」と「実臨床で使える知識」を問う問題が増加しているという特徴があり、今回もそれらは色濃く反映されていました。偏見・スティグマを軽減するアプローチ(C27)や、持続可能な開発のための2030アジェンダ〈SDGs〉(F28)などは、近年社会的に注目されている概念についての出題です。慢性心不全の予後を改善する薬剤(D32)や、腎機能低下を抑制する薬剤(D46)では、近年の医療現場では欠かせない薬剤となっているSGLT2阻害薬が出題されています。抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎で注意すべき合併症(D19)では、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の合併症(116D-44)に続き、10年前には誰も知らなかったような知識が要求されており、新しい知識を積極的に身に付けていかなければいけない時代になっていると強く感じました。

実臨床を意識した問題は、例年通り特に必修で多く認められました。創部処置後の患者指導(B36)は、まさに研修医になってから使う知識を問う極めて教育的な内容です。鼻咽頭ぬぐい液の採取手順(E7)は、新型コロナウイルス感染症が出現した現代において全ての医師にとっての必須手技と言え、これも研修医になってから即座に使える知識です。国試は学生を試すだけでなく、研修医へと導く「教材」でもあるのです。また、必修だけでなく各論・総論においても、呼気終末二酸化炭素濃度〈ETCO2〉波形が消失した際に疑うべきこと(F48)や、患者に行われた内視鏡治療(C65)など、極めて臨床的な問題が増加していることも見逃してはなりません。

新傾向の問題に注目が集まりがちですが、大半の問題はやはり基本的な内容、過去問ベースの問題であることに変わりはありません。分時心拍出量を増加させるもの(F13)や、特発性肺線維症の症状・身体所見(A5)、右Babinski徴候が陽性になるもの(C12)などは、CBT的な基礎知識であり落としたくないところです。急性白血病の診断(A15)、球脊髄性筋萎縮症の診断(D56)などは、過去問の画像がそのまま使われており、画像問題が苦手でも過去問演習をしていれば正解できます。漏斗胸(A68)など過去3年以内に出題されている疾患だけでなく、横隔膜弛緩症(A21)や重症心室中隔欠損症(F42)など、より古い過去問で出題された疾患を題材にした問題もあり、より遡った学習も重要と言えました。

①出題形式

(1)問題タイプ別の変化

  第118回 第117回 第116回 第115回 第114回
5肢1択 355 342 334 338 341
5肢2択 29 35 44 51 40
5肢3択 11 18 18 8 16
多選択肢問題※ 1 2 1 1 0
計算問題 4 3 3 2 3

※6肢以上の選択肢数の問題。

  • 117回では複数解答を選ばせる問題(5肢2択、5肢3択)がブロック内でランダムに出題されましたが、118回では116回までと同様にまとめて出題されました。

  • 複数解答(5肢2択、5肢3択)は40問出題されました。国試が400問になった112回以降で初めて出題数が50問未満となりました。

  • 英語問題は全文英語の問題のみが出題され、117回から2問増加し、4問出題されました(各論臨床・A50、必修一般・B13、E4、必修臨床・E28)。また、全文英語の組合せ問題が初めて出題されました(E4)。

  • 計算問題(0~9の数字を選ばせる問題)の出題数は117回から1問増加し、4問出題されました。4問出題されたのは111回(国試が500問の時)以来です。なお、117回ではすべて総論で出題されましたが、118回では各論で2問、総論で2問出題されました(各論一般・A75、各論臨床・D75、総論3連問・C73、総論一般・C75)。

  • 多選択肢問題の出題数は1問のみでした。3連問の中で6肢以上の多選択肢問題が出題されたのは103回以来です(総論3連問・F68)。また、9肢1択が出題されたのは107回以来です。

  • 下線部5択問題は117回より1問増加し9問出題されました。

  • 臨床問題の設問内容別で増加がみられたのは、診断を問う問題(118回51問、117回35問)でした。一方、症候・病態を問う問題は減少しました(118回60問、117回72問)。

  • 正答として「誤り」を選ばせる問題は53問出題されました。国試が400問になった112回以降増加傾向にありましたが、最多であった117回から16問減少しました(117回69問)。

  • 問題冊子に表やグラフ、イラストなどが図示されている問題は9問出題され、117回より5問減少しました(117回14問)。

(2)画像問題数の変化

  第118回 第117回 第116回 第115回 第114回
画像問題数※ 89 110 99 98 111
画像点数 138 179 146 171 171

※別冊冊子に画像が提示された問題。

  • 画像問題数は89問で、117回から21問減少しました(117回110問)。画像問題は国試が400問になった112回以降では初めて出題数が90問未満となりました。

  • 画像問題1問あたりの画像点数は1.55点で、117回から減少しました(117回1.63点)。

  • 画像5択問題は117回と同様に7問出題されました。

(3)画像点数の変化

  第118回 第117回 第116回 第115回 第114回
頭部CT 5 3 7 2 3
頭部MRI・MRA 4 13 1 8 5
胸部CT 8 13 11 15 10
胸部エックス線 8 11 16 13 21
心電図 7 8 4 11 5
心エコー 5 7 3 3 7
腹部CT 5 11 12 10 15
腹部エックス線 1 3 1 2 1
腹部超音波写真 2 3 2 1 4
消化管内視鏡 5 6 4 6 7
染色標本 6 11 14 10 12
外観 18 22 15 23 28
器具・手技 15 6 5 6 4
その他CT・MRI・エックス線 18 29 23 15 30
その他 31 33 28 46 19
合計 138 179 146 171 171

  • 画像点数は138点で117回から41点減少しました(117回179点)。国試が400問になった112回以降で最少です。

  • 種類ごとの点数も概ね減少していますが、頭部MRI・MRAは4点(117回13点)、その他CT・MRI・エックス線は18点(117回29点)と特に著しく減少しました。

(4)その他

なし

②出題科目

(1)内科系

結核(B29)、梅毒(A10、B37)、心筋梗塞(F73~75)、肺塞栓症(A19、F63)など毎年必ず出題される疾患については今回もきちんと出題されていました。これらの基本的な疾患では、従来の知識で解ける問題は確実に得点すべきことは言うまでもありませんが、今回は頻出疾患であってもその知識だけでは解けない問題も散見されました。例えば急性膵炎では、今回は被包化膵臓壊死〈WON〉(D62)という一歩進んだ知識まで要求されています。感染性心内膜炎(A22)ではどの抗菌薬を使用するかまで、発作性上室頻拍(A51)ではアデノシン三リン酸〈ATP〉の投与経路・速度までが要求されており、いずれも難問と言えるでしょう。これらの要求レベルの高い問題については、どこまで正解を目指すべきかは学習状況によるところです。

(2)公衆衛生

例年公衆衛生は難しく感じる学生が多く、今回も後期高齢者医療費の財源負担(F27)や、健やか親子21(第2次)の指標でないもの(F5)など、知らなければ対応のしようがない問題も散見されました。しかしながら、例年に比べると解きづらく感じる問題は少なかったように感じました。共同意思決定〈シェアードディシジョンメイキング〉(E13)、アドバンス・ケア・プランニング〈ACP〉(C71)、在宅勤務(C9)、エボラ出血熱(D2)など、新しい概念や新疾患も多く問われていたものの、常識的な発想で解ける内容になっていたことが大きいでしょうか。
疫学については機械的な計算というよりも統計解析手法(F23)などのより詳細な理解を問う難問が出題されていました。計算問題は例年通り検査後確率の算出(C63)が出題されました。近年重視されている人口分野については標準化死亡比の計算(C22)、総人口が減少に転じた時期(F10)などがしっかり出題されました。

(3)マイナー

マイナーは多くの学生が勉強が手薄になる分野でもあり、その診療科でしか扱わないような疾患が出題されると難易度が大きく上昇してしまいます。ただ今回は尋常性痤瘡(D21)など比較的日常的に出会い得る疾患が問われ、難易度が高すぎないだけでなく、どの診療科の医師になっても使える知識であり良問と感じました。パーソナリティ障害〈パーソナリティ症〉(D59)、漏斗胸(A68)などは一見馴染みがないようにみえても過去3年間に出題があるため、過去問演習をしっかりこなせていれば得点できたのではないかと思います。

(4)その他の科目

  • 産婦人科、小児科は例年通り
    平均的な国試の内容と言ってよいでしょう。毎回問われる分娩経過(F12、F18)、成長発達(C14、F51)などは変わらずみられましたが、苦手とする学生が多い分野でもあるため苦戦した受験生も多かったのではないでしょうか。前期破水への適切な対応(D43)は今までありそうでなかった問題で難問と言えます。

  • 麻酔科、救急、放射線科の出題が目立つ
    今回の大きな特徴として、麻酔科、救急、放射線科の出題が目立ちました。いずれも勉強が手薄になりがちな分野ですので、網羅的な学習ができていたかが試されたとも言えるでしょう。特に救急では、外傷の問題として腹腔内圧のモニター(C68)、腎損傷(C50)など、一歩進んだ知識も要求されました。臨床問題だけでなく一般問題でも窒息への対応(E23)、骨盤外傷の診察(F3)などといった難問も多く、救急は出題数が多いだけでなく難易度も高かったように感じました。

③一般問題

一般問題の難易度は例年、公衆衛生の難易度に大きく左右されます。公衆衛生を難しく感じるのであれば、低カルシウム血症と低リン血症を同時にきたす病態(A3)などの頻出事項や、健常者とCOPD患者の肺気量分画(C23)などの基本的な内科問題を確実に得点したいところです。手袋の脱衣の順番(F7)や、ワクチンによる予防効果がある癌(C16)などは、いかにも最近の国試らしい実践的かつ新傾向の問題ですが、冷静に考えれば解ける問題と言ってよいでしょう。摂取カロリーが約80kcalのもの(C28)は、医学に一見関係ないようにみえて、栄養指導という実践的な知識を教える良問です。しかしながらダイエットや筋トレなどの経験がなければ難問といえ、理不尽に感じた学生もいたと思われます。
計算問題はクレアチニンクリアランスの算出(C75)など、比較的計算しやすいものが多かったようですが、Cブロックでは臨床問題でも血清浸透圧の算出(C73)が出題されており、時間配分には注意が必要でした。

④臨床問題

実臨床を強く意識した問題としてはPTPシート誤飲の予防(A39)、ワルファリンが効きすぎている場合の対応(C58)などが印象的でした。C58では「交差混合試験」という、近年出題が噂されていた単語で出てきていますが、言葉だけでなくきちんと内容を理解していないと間違えるため注意が必要です。C型肝炎の第一選択薬(A35)も新しい知識が満を持して出題されました。線維筋痛症の診断(D38)などのほぼ過去問通りの知識で解ける問題、患者に行われた内視鏡治療(C65)などの病棟実習で見ておきたい問題が出題されたところは例年通りです。

⑤必修問題

近年必修の難易度は概ね安定しており、今回も極端な難化はなかったものの、必修1問目の採血できない職種(B1)で面食らい身構えた受験生も多かったものと思われます。静脈留置針による末梢静脈路の確保手技(B5)、鼻咽頭ぬぐい液の採取手順(E7)などの手技の問題は今回も出題され、特に後者は新型コロナウイルス感染症やインフルエンザが猛威を振るう現代においては必須手技であり良問と言えます。採点比重の大きい臨床問題では虫垂炎の腹部診察(E36)など専門医でも戸惑う問題がみられましたが、そのような問題を落としても必修ブロック全体でみれば8割の得点は可能な水準と言えます。

⑥メックの医師国家試験対策と今後のサービス展開

第118回医師国家試験、初日は受験生の皆様も比較的平常心で取り組むことができるような内容だったかと思いますが、2日目は健全な難問と平易な問題が例年レベルのバランスで出題され、国試として解きがいのある非常に良質な内容になっていたと思います。最終Fブロックの連問は最後の思考力と集中力を試されるような内容が並びましたが、国試全体を通して、医師として備えておくべき基本的な資質を見極めようという、出題者の真摯な思いが込められているように感じました。

特に、時代に即したトピックスが多く扱われていたことが印象的でした。例えば、社会問題になりやすい新型コロナウイルスなどの感染症や、高齢者・小児への対応、初期研修医としての対応などで、しっかりした知識と判断力が問われました。一方、世間一般でも話題になりがちな栄養学的な内容やロコモティブシンドロームなどは、より生活に身近な題材を取り上げることで、医学が学問であると同時に、「国民に寄り添うべきものであることをあらためて意識して欲しい」という願いが表れているように思います。

受験生の皆様はまず「国試合格」というところを目指してきました。これから合格の先に何を見るのか-これはとても多くの選択肢が広がってきていると思います。しかし、実際に幅広い選択肢をもつことができるかどうかは、個人の見識やポテンシャルによって大きく左右されます。

メックでは、利用者の皆様がより多くの選択肢をもてるよう、学習だけでなく、医学生から医師の生活の中で、様々なコミュニケーション・体験・情報を得られるような環境を、『MEC Net.』や『ドクスタ』などを中心に提供しております。
患者様や医療従事者を含め、あらゆる人たちと関わり合いをもつ中で、想像力をもって接することができるかどうかは非常に重要です。ちょっとしたきっかけで視野は広がり、少しでも興味のあるものには積極的に飛び込むことで、どんどん世界は開けていきます。

毎年医師として羽ばたいていく皆様が、あらゆる場所でそれぞれの能力を発揮し、ご活躍されるよう、メックでは常に新しいサービスを提供し、サポートしてまいります。皆様と共に、より良い未来を築いていく一助となれば幸いです。

2024年2月6日
MEC 医学評価センター国試分析チーム
(メック講師・企画部・制作部)

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