《2023年度版》予備校メック流
医学生のためのオススメ勉強法はコレだ!
「第10回:いざ!医師国家試験に向けた公衆衛生対策!」
2023.10.02
最新《2024年度版》はこちら
こんにちは!メックのL.Iくまです。
2023年の夏は本当に長く暑かったですね!最近はさすがに日中も秋の空気が濃厚になってきてホッとする毎日です。
ここからいよいよ卒業試験が大詰めを迎える6年生が多いのではないでしょうか?
また、医師国家試験に向けた学習を本格的にスタートする方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、卒業試験や医師国家試験を合格する上で対策が必須の「公衆衛生」の勉強法について、メックL.I視点でガッツリとお伝えしていきます!
第10回:いざ!医師国家試験に向けた公衆衛生対策!
データでみる公衆衛生
皆さんは医師国家試験で出題数が最も多い科目が何かご存知ですか?
ズバリ、「公衆衛生」です。
例年約50問以上が出題されていて、直近3年分の国試では117回:71問、116回:64問、115回:65問 という出題数となっています。
公衆衛生の出題割合は、医師国家試験400問中16~17%も占めているという状況なんですね。
ちなみに、117回の医師国家試験で次に出題数の多い科目は、循環器:32問、次に呼吸器:27問。
これと比べても公衆衛生の出題数が多いのは一目瞭然です。
こうなってくると、
「公衆衛生」を得点源にしない手はない!
というわけです。
<第117回出題割合>
公衆衛生で扱われる問題
公衆衛生は、一般問題(総論分野)で多く出題されます。
※117回では33問、116回では31問、115回では28問出題。
さらに、必修問題では全100問のうち、公衆衛生は117回では30問、116回では25問、115回では25問が出題されています。
ちなみに、必修問題は計18のガイドラインから構成されており、公衆衛生は下記ガイドラインからよく出題されています。
※必修問題の対策は、今後のコラムで扱う予定です!
<必修ガイドライン>
G1:医師のプロフェッショナリズム(約4%)
G2:社会と医療(約6%)
G3:診療情報と諸証明書(約2%)
G4:医療の質と安全の確保(約4%)
G6:医療面接(約6%)
G 10:臨床判断の基本(約4%)
G15:死と終末期ケア(約2%)
G16:チーム医療(約2%)
G17:生活習慣とリスク(約5%)
G18:一般教養的事項(約2%)
※( )内の数字は、おおよその出題率となっています。
必修問題合格ラインの80%を超えるためにも、公衆衛生の対策は重要だということが改めてわかるデータですよね。
公衆衛生は115回から難化傾向となっています。
詳細はメックの総評3年分(117~115)にてご確認ください。
117回総評
難化傾向
今回もCブロックで難問が目立ちました。医療保険による在宅医療サービス(C15)、国際生活機能分類〈ICF〉について(C20)、学校保健安全法の規定(C27)などは、自信を持って正解できた受験生はほとんどいなかったのではないでしょうか。接種間隔を27日以上あける必要があるワクチン(C17)など比較的新しい知識を要求する問題も出題されており、知識のアップデートも要求されています。
尤度比の理解を要求
近年の計算問題は公式の丸暗記ではなく理解が求められる問題が多いですが、特にスクリーニングについてはその傾向が顕著でしょう。従来多かった検査前確率、感度、特異度から機械的に四分表を書いて解けるような問題は近年はほぼ出題されていません。今回も貧血診断における尤度比の計算(B47)が出題され、感度・特異度は影もなく、今後も尤度比を使用した計算が当たり前にできるようになっていなければなりません。
116回総評
難化傾向
前回に引き続きCブロックで難問が目立ちました。近年の疾病や疾病リスクについて正しいもの(C21)などの統計の難問、生活保護法について正しいもの(C30)などの知らなければ解答困難な問題など、苦戦した受験生も多かったと思います。
理解を問う計算問題
A群β溶連菌性咽頭炎の事後確率の算出(E47)や、予防因子の曝露レベルに応じたオッズ比の計算(F74)は、陰性尤度比やオッズ比とは何かを理解し、かつ使いこなせることが要求されました。数年前までは、公衆衛生分野の計算問題は理解していなくても公式に当てはめて機械的に解ける問題がみられていましたが、今後はより深い疫学・検査学分野の理解が要求されそうです。
115回総評
難化傾向
特にCブロックで難問が目立ちました。医療費が全額公費負担となるもの(C6)、要介護の原因として4番目に多いもの(C9)、日本の性別の一人当たり食塩消費量の推移(C14)など、しっかり勉強していても対応困難な知識を問う問題が目立ちました。
人口関連の問題は減少
近年、人口問題を重視している傾向の問題が非常に目立っていた公衆衛生ですが、今回は平均寿命を表す数値(F24)があるものの、複雑な計算や生命表の理解を問う問題は減少しました。ただし、世帯構成について(F9)など、統計的知識は変わらず問われました。
公衆衛生の対策
① 講座を受講しよう!
公衆衛生は暗記科目のため、「好きじゃない」、「なんとなく苦手」と思っている学生様も多いのではないでしょうか。
公衆衛生対策の第一歩としてまずは講座の受講をおすすめします。講座を視聴することで問題に対して取っ掛かりやすくなって、全体が把握しやすくなります。
※医師国家試験対策なら「MEC公衆衛生講座」だけでも完結します。
https://mecnet.jp/lp/2023/5course/
② 過去問演習をしよう!
テキストに掲載されている問題を解きましょう!章(単元)ごとに問題を解いて、テキストやご自身で作っているノート に戻り知識を確認して、穴を無くしていきましょう。
MEC Net.の過去問演習(ログイン後無料でご利用可能) ↓
https://mecnet.jp/
■ 国試直前期(12月~国試まで)の対策の極意!
国試直前期になると、苦手分野の克服やまだ手をつけていない科目を勉強する学生様もいらっしゃるかと思いますが、公衆衛生は暗記科目となりますので、毎日触れることを心掛けましょう!
できれば、ご自身が1日のうちのどの時間帯で勉強すると暗記しやすいのかを見極めて、毎日コツコツと決まった問題数や章(単元)を繰り返し解いていくこと大切です。
疫学は必ずおさえておきたいですね。(日本の人口減について近年出題傾向)
<公衆衛生対策まとめ>
・講座を受講しよう!要点整理となります。
・問題演習をしよう!テキストを使用してもOK。回数別であれば過去5年分(117~113回)の問題(計326問)はしっかりと演習して、何周もまわしましょう!
・難易度の高い問題を対策するより過去問レベルの問題を確実に得点していくことが重要!しっかり対策して国試本番で得点源となるようにしましょう!
■ メック個別指導講師 Dr.川端 のワンポイントアドバイス
② 総論で出題される問題は難易度が高い!
難易度が高くても普段から時事ネタのニュースに関心を持っていればおさえることも可能ですので、チェックしておきましょう!
・日本の出生率、人口
・経済協力開発機構(OECD)が公表する各国の貧困率の最新値⇒15.4%
日本の相対的貧困率、米韓にも抜かれ先進国最悪に
・梅毒流行等
(2023年の梅毒届出数の推移を見ると、6月まで毎月のように1,000例を超えており、なかでも3月の1523例は月単位で過去最多だった。)
※毎年10/1以降の法令ネタは出していない傾向
■ 公衆衛生で 差をつけるには?
計算問題が苦手な学生様は、早めに対策しておくと安心です。
計算問題⇒10パターン位あり、直近5年以前からも出題されているので過去問10年分の演習必須。
② 全選択肢を覚えてしまう。
過去問の誤答選択肢から問題が出題されることもあります。
正答したからとそこで完結するのではなく、誤答選択肢が得点源になりうる可能性大です。
「公衆衛生」の対策は医師国家試験を合格する上で欠かせないもの。
暗記科目を仕上げるためには、毎日コツコツ取り組むイメージが大事かもしれません。
“毎日コツコツ”の具体例
① 12月から公衆衛生をガッツリやりたい医学生の皆さま
過去10年分(117~108回)の問題(計681問)の演習に取り組む
➡ 1日30問ペース、約23日間で終了します!
このペースなら国試までに2~3周は余裕で回せそう。
② 年内は他分野の学習を優先、公衆衛生の最終仕上げは1月!な医学生の皆さま
過去5年分(117~113回)の問題(計326問)の演習に取り組む
➡ 1日30問ペース、約11日間で終了します!
このペースでも国試までに2~3周は回せて、十分間に合いそう。
※計算問題も毎年必ず数問は出題されます!しっかりと対策しておきましょう!
以上、今月の「いざ!医師国家試験に向けた公衆衛生対策!」いかがでしたか?
国試直前期は、他の分野の学習がどれだけ忙しくても、「公衆衛生」は1日の勉強スケジュールに組み込んで、バッチリ仕上げていきましょう!
※医師国家試験対策なら「MEC公衆衛生講座」だけでも完結します。
https://mecnet.jp/lp/2023/5course/