より良い医師の育成にかける
メックグループの想い
メックは2022年12月に設立40周年を迎えました。同タイミングでSDGsにおけるサステナビリティ方針も策定され、企業としての在り方やその未来を改めて考えるタイミングとなりました。今回、代表取締役日髙と社員2名に、メックのこれまでとこれからを聞く鼎談を開催しました。
日髙 順子
2001年入社。2020年 株式会社メック及び株式会社シーメック代表取締役就任。
坂巻 敏江
2008年入社。株式会社メック 制作部制作課課長。
高川 章
2008年入社。株式会社シーメック 病院コンサルティング事業部課長。
気づけば当たり前のようにあった
ジェンダーギャップのない社風。
坂巻:メックに入社してから、会社でジェンダーギャップというのを感じたことがないんですよね。男とか女とかを前面に出す人がいなくて、とにかくみんなフラット。これがメックの社風だなと思います。
高川:男性社員も育休を取っていますし、自分も子供が理由で急な休みを取得することもありますが、取りづらいということもない。産休・育休や子供が理由の休みを取る人がいることで誰かが文句言ってるのを聞いたこともないんですよね。
坂巻:私も全く聞いたことがないです。別に我慢してるわけじゃなくて、仕事のことでは男性でも女性でも関係なく意見を言うし、それを受け入れてくれる風土もある。実はすごく特殊な会社なんだろうなというのがあります。
日髙:ジェンダーを意識しなくなった一因として、先代社長が仕事においてジェンダーにこだわらなくて、私も入社してから男女がどうとか学歴や年齢がどうとか全く意識したことはなかった、というのがあるかな。一貫して「情熱」と「感じが良い人が世界を救う」、と思ってます。メックはそういう人が集まってるよね。だから風通しが良い環境になっているんだと思います。
「より良い医師」。
日髙:企業理念なんだけど「より良い医師」とは何なのか、って実はとても難しいです。
坂巻:私も悩んだんですが、改めて「より良い医師」とは何かを考えたときに、「医師自身がこの職業に携わっていることに意義を感じている」ということは重要なのでは、と思いました。
高川:先日、初期研修医の症例発表から鑑別診断までをディスカッション形式で行う「教育回診」にさせていただきました。そこで気づいたことですが、「問診」、医師の質問には必ず意図があるということです。患者の立場になって考えると、「この質問の意図はなんなのだろうか?」ということを理解して回答をすることで、医師の方達の手間や検査・診断までの過程が最短でできるようになるのではないかと思いました。我々患者側の理解が少し進むだけでも「より良い医師の育成」ということに繋がるのではないかと思っています。
日髙:昔とある先生にも「より良い医師とは?」と聞かれたことがあって、一言ではなかなか伝えられなかった。でも「どんな状況でもどんな立場でも最善を尽くせる医師」と答えた社員がいたんです。この回答がその時はすごく腑に落ちたんですよね。今でも簡潔に答えて、と言われたらそれなのではないかと思っています。
でも二人の回答を聞いていて、「より良い医師」というのは想像力が豊かで成長し続ける意思がある、そして誇りをもって働いている、そんな部分も重要なのかもしれないな。その上で最善を尽くす、と。
医師の働き方も多様化する時代。
医師数の地域偏在などの問題も山積み。
わたしたちにできること。
日髙:昔の医局制度は課題もあったかもしれないけれど、医師が地域に根付き、医師としての地位や報酬が担保されていたという印象がありました。最近はものすごく忙しい上に、患者の多様化などもあって余裕のない若手医師も多い。やはり労働環境が守られていないと医師の心身の余裕はなくなってしまうのよね。それは医師や病院だけの問題ではなく、診療を受ける患者側にも関わる問題でもあります。
高川:地方の研修病院は研修医の獲得がますます厳しくなっています。初期研修は都市部を希望する医学生が圧倒的に多い。そして、初期研修を行った病院のエリアで3年目以降も勤務する。この事実をふまえると、いかに若いうちに地方の病院やその街の魅力を知ってもらうか、という部分が重要です。
日髙:シーメックは最近自治体と組むことが多くなってきましたね。
高川:病院やその街の魅力を打ち出したいと考えていても、それを病院が単体でやっていくのは難しい。だから県庁など自治体主導で動いているような状況です。
そこにシーメックが入って実際の課題はなんなのかを探ります。例えば現在進行中のある自治体プロジェクトでいえば、県内でも北のほうが医師不足は顕著。そういう部分を理解して、県北にどうやったら医師を集められるのか、と具体的に動くのが我々の仕事です。
日髙:東北とか四国、九州の自治体とも絡んでるし、本当に良い仕事をしてると思う。地元の患者さんのためにもなるものだから。
高川:まずは自治体とパートナーシップを作っていって、ゆくゆくは地方と都市部を連携するような、自治体×自治体という形でも繋げていきたいと考えてます。その中で国の施策でもある総合診療医を増やす、というところにも貢献していければ。
これからのメックが作る未来。
高川:医師の育休、産休ってどこの病院も福利厚生に入っているにもかかわらず、実際の取得率はかなり低いです。まだまだ医師とは働くものだ、という価値観が根強いところもあるので、そういう部分の変化も我々が促していくことができたらと思います。
坂巻:結婚や出産、介護等で第一線から退いてしまうと医師は復帰しづらいですよね。国や病院も復職支援は行っているようですが、私たちも教材の提供や、コミュニティを作るなど、メックグループだからこそできる支援の方法があるのでは、と考えています。
高川:医師の方々は日々の診療に追われて我慢しているけど、世の中に伝えたいことがたくさんあるはずなんですよ。その伝えたいことの中には一般市民の我々にとっても重要なことがある。そういうところをメックグループが発信していくことで、医師の環境改善などにも繋がっていくのでは、と考えます。
坂巻:足立区は志も学力もあるのに経済的な問題で医学部に行けないという子供に、給付型の奨学金を出す試みを始めたそうです。これはもちろん子供の貧困という問題への対応策でもあるけれど、医師不足や医療の質を安定させるなど、全てに絡む良い取り組みなんですよね。メックとしても教材を無償で提供したり、アルバイトを紹介したり、という部分で貢献できることもあるのでは、と思っています。
日髙:課題は山積みだけど、私たちにできることはたくさんありますね。この業界は世間一般にはあまり知られていませんが、医学生と医師の育成、サポートで、医療と教育の両方を担っているほかにない会社です。メックもまだ40周年を迎えたばかり。人間がいる限りこのビジネスは成り立っていくと考えていますので、50年100年と続いていく会社にしていきましょう。
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