最新医師国家試験情報
第119回医師国家試験 合格発表
■第119回合格発表日
2025年3月14日(金)
■第119回合格率
受験者数: 10,282名 > 合格者数:9,486名 > 合格率: 92.3%
■第119回合格基準
第119回医師国家試験の合格基準は、必修問題は一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、各々1問1点とした上で、(1)から(3)のすべての合格基準を満たした者を合格とする。
(1) 必修問題を除いた一般問題 および臨床実地問題 |
221点以上/300点 |
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(2) 必修問題 | 160点以上/200点 |
(3) 禁忌肢問題選択数 | 3問以下 |
第119回医師国家試験 大学別合格率
第119回医師国家試験 概要
実施日:令和7年2月8日(土曜日)及び9日(日曜日)の2日間実施。
1日目
A | 9:30~12:15/165分 | 75問 | 各論 | 一般:15問・臨床:60問 (5肢1択:66、5肢2択:8、計算:1) |
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B | 13:35~15:10/95分 | 50問 | 必修 | 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問 (5肢1択:50) |
C | 16:00~18:30/150分 | 75問 | 総論 | 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問 (5肢1択:68、5肢2択:4、5肢3択:1、計算:2) |
2日目
D | 9:30~12:15/165分 | 75問 | 各論 | 一般:15問・臨床:60問 (5肢1択:65、5肢2択:8、5肢3択:2) |
---|---|---|---|---|
E | 13:35~15:10/95分 | 50問 | 必修 | 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問 (5肢1択:50) |
F | 16:00~18:30/150分 | 75問 | 総論 | 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問 (5肢1択:58、5肢2択:14、5肢3択:2、計算:1) |
第119回医師国家試験 総評
第119回医師国家試験が終了いたしました。受験生の皆様、2日間大変お疲れ様でした。
近年の国試は合格基準が年々上昇しており、一般・臨床(総論・各論)の得点率で117回は74.6%、118回は76.7%でした。この流れから「119回は、一般・臨床でも必修の8割と同程度になるのではないか」といった懸念もありました。しかしながら、今回は骨太な出題が多く、結果的にはやや難化傾向となり、合格基準は前回に及ばないものと予測されます。
近年の国試は「新しい治療や疾患・近年注目されている概念」と「実臨床で使える知識」を問う問題が増加しているという特徴がありますが、今回は特に前者の出題が目立ちました。非ST上昇型心筋梗塞(A31)、左室駆出率の保たれた心不全〈HFpEF〉(A44)、ネーザルハイフロー療法(A72)、ヘパリン起因性血小板減少症(D8)など、なんとなく聞いたことはあったり、卒業試験や模擬試験で出題されていたりはするが、過去の国試では明確に問われてこなかったテーマが積極的に出題されていました。一方で、de Quervain病(A39)や、肺過誤腫(D16)などといった、昔出題されていたものの近年めっきり見なくなっていた疾患もリバイバルされており、隙のない学習が要求されていました。
今回の国試を難しくしていた要因として、選択肢自体はその疾患に対して行われ得るが、問われている症例で適応できるかという判断までを問う問題が多かったということも挙げられます。慢性膵炎(A58)では脂肪制限も行うことがあるが、この症例では腹痛を訴えていないため行わない。原発性胆汁性胆管炎(D36)では肝生検が有用な検査だが、この症例では腹水貯留のためできない。といった、目の前の患者に照らした臨床判断が求められる出題があり、治療をただ横並びに覚えるだけでは対応できず、受験生にとっては難易度は高かったと思われます。
さて、どうしても解きづらい難問に注目しがちですが、大半の問題はやはり基本的な内容、過去問ベースの問題であることに変わりはありません。解ける問題を確実に解くことが重要になります。潰瘍性大腸炎に特徴的な所見(A7)や、アニオンギャップが開大する病態(F34)などはCBT的な基礎知識であり落としたくないところです。下咽頭癌の診断(D68)、前置癒着胎盤の診断(D74)などは、過去問の画像がそのまま使われており、画像問題が苦手でも過去問演習をしていれば正解できます。全身性エリテマトーデス〈SLE〉で胎児に影響を与える可能性がある自己抗体(D22)や、無痛性甲状腺炎患者への方針(D23)など、過去問とほぼ同じ問題も多く出題されており、しっかり過去問演習をできていれば即答できたはずです。
①出題形式
(1)問題タイプ別の変化
第119回 | 第118回 | 第117回 | 第116回 | 第115回 | |
---|---|---|---|---|---|
5肢1択 | 357 | 355 | 342 | 334 | 338 |
5肢2択 | 34 | 29 | 35 | 44 | 51 |
5肢3択 | 5 | 11 | 18 | 18 | 8 |
多選択肢問題※ | 0 | 1 | 2 | 1 | 1 |
計算問題 | 4 | 4 | 3 | 3 | 2 |
※6肢以上の選択肢数の問題。
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複数正答(5肢2択、5肢3択)の出題は39問で、国試が400問になった112回以降で初めて出題数が40問未満となりました。特に5肢3択問題の出題数は5問に留まり、112回以降で最も少ない出題数でした。
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英語問題は全文英語の問題のみが出題され、118回から1問増加し、5問出題されました(各論一般・A03、必修臨床・B35、総論一般・C18、F19、F25)。
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計算問題(0~9の数字を選ばせる問題)の出題数は118回と同様に4問出題されました(各論一般・A75、総論臨床・C74、C75、F75)。
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6肢以上の多選択肢問題は出題されませんでした。1問も出題されなかったのは114回以来です。
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下線部5択問題は118回より6問増加し、15問出題されました。
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臨床問題の設問内容別では、診断を問う問題が減少し(119回39問、118回51問)、治療・対応を問う問題が増加しました(119回102問、118回94問)。
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正答として「誤り」を選ばせる問題は46問出題され、117回から2年連続で減少しました(118回53問、117回69問)。
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問題冊子に表やグラフ、イラストなどが図示されている問題は118回と同様に9問出題されました。
(2)画像問題数の変化
第119回 | 第118回 | 第117回 | 第116回 | 第115回 | |
---|---|---|---|---|---|
画像問題数※ | 97 | 89 | 110 | 99 | 98 |
画像点数 | 152 | 138 | 179 | 146 | 171 |
※別冊冊子に画像が提示された問題。
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画像問題数は97問で、118回から8問増加しました(118回89問)。
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画像問題1問あたりの画像点数は1.57点で、118回とほぼ同等でした(118回1.55点)。
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画像5択問題は118回と同様に7問出題されました。
(3)画像点数の変化
第119回 | 第118回 | 第117回 | 第116回 | 第115回 | |
---|---|---|---|---|---|
頭部CT | 2 | 5 | 3 | 7 | 2 |
頭部MRI・MRA | 6 | 4 | 13 | 1 | 8 |
胸部CT | 15 | 8 | 13 | 11 | 15 |
胸部エックス線 | 14 | 8 | 11 | 16 | 13 |
心電図 | 7 | 7 | 8 | 4 | 11 |
心エコー | 1 | 5 | 7 | 3 | 3 |
腹部CT | 6 | 5 | 11 | 12 | 10 |
腹部エックス線 | 3 | 1 | 3 | 1 | 2 |
腹部超音波写真 | 1 | 2 | 3 | 2 | 1 |
消化管内視鏡 | 4 | 5 | 6 | 4 | 6 |
染色標本 | 7 | 6 | 11 | 14 | 10 |
外観 | 21 | 18 | 22 | 15 | 23 |
器具・手技 | 0 | 15 | 6 | 5 | 6 |
その他CT・MRI・エックス線 | 27 | 18 | 29 | 23 | 15 |
その他 | 38 | 31 | 33 | 28 | 46 |
合計 | 152 | 138 | 179 | 146 | 171 |
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画像点数は152点で、118回から14点増加しました(118回138点)。
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種類ごとの点数で大きく増加がみられたのは胸部CT(119回15点、118回8点)、胸部エックス線写真(119回14点、118回8点)でした。減少となったのは頭部CT(119回2点、118回5点)、心エコー(119回1点、118回5点)、器具・手技の写真(119回0点、118回18点)でした。
(4)その他
なし
②出題科目
(1)内科系
結核(D72)、梅毒(F66~68)、心筋梗塞(A31、F69~71)、肺塞栓症(A70)など、毎回必ず出題される疾患についてはきちんと出題されていましたが、結核は治療効果の判定に用いられる検査が問われており、心筋梗塞は非ST上昇型と右室梗塞、肺塞栓症は慢性型など、例年の典型的な問題に比べると一ひねり加えられた出題となっているのが特徴です。頻出疾患ではあるものの、今回これらの問題で確実に得点するのは意外と難しかったのではないでしょうか。
(2)公衆衛生
2024年は健康日本21(第三次)の開始年であり、目標について出題されました(C1)。SDGs(C24)など、近年のトピックスが問われた一方で、薬害エイズ事件(C27)のようなかなり古い社会問題も出題されており、幅広い知識が要求されました。ワクチンの接種スケジュール(C53)は従来の乳児期だけでなく小学校入学前に接種するものが問われており、厳密な接種のタイミングまで覚えておかなければ解けないのは酷でしょう。インフルエンザの学童の出席停止期間(C52)は例年より一歩踏み込んだ、実際の登校可能日を問う形式となっており、ただ出席停止基準の文章を機械的に覚えるだけでは対応できない、より実地的な問題となっています。
公衆衛生といえばの計算問題ですが、人口にかかわる計算は珍しく出題がなく、検査後確率の計算(E39)のみでした。疫学・統計分野は計算問題だけでなく統計解析手法(F9)など高度な統計知識が必要な難問が出題されており、今後はより深い学習が求められるでしょう。
(3)マイナー
マイナーは多くの学生にとって勉強が手薄になる分野であるため、そもそも難しく感じる学生が多いと思われますが、出題傾向は内科と大きく異なることはありません。囊腫の診断(F50)など、過去問通りの問題を堅実に得点したいところです。一方で、肩関節脱臼(A9)や表皮下水疱の鑑別(D63)などの難問も目立ちました。ロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術の術前説明(D52)などの臨床現場の知識を問う問題もあり、内科と同様に病棟実習での知識習得が要求されています。
(4)その他の科目
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産婦人科、小児科は例年通り
正常妊娠経過(F41)、回旋異常(F47)、微弱陣痛の対応(C38)など、例年通り正常の妊娠経過についての把握を求める出題が多くみられました。基礎知識をきちんと身に付けていれば解けますが、問題文をじっくり読んで異常がないか一つずつ判断していく必要があるので、十分に時間をかけて臨みたいところです。
小児科は例年に比べると染色体や遺伝学、先天異常に関する問題が目立ち、最も多くの遺伝子を含む染色体(E17)などの難問も散見されました。 -
救急、外傷の出題が目立つ
珍しく明らかな麻酔科の出題はなく、放射線科についても定位放射線照射の適応(F11)くらいで、数は少なかったです。一方で外科、周術期管理の問題は、腹腔鏡下手術の周術期管理(D3)、周術期血糖コントロール(F46)、ロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術の術前説明(D52)など、疾患を問わず多く出題されていました。今回の大きな特徴は救急、特に外傷に関する問題が多かったことです。その中でも、皮膚開放創に用いることができる消毒薬(E18)、感染創において創部を消毒する前に行うもの(F59)など、創部の処置にかかわる知識が複数問われていたのが印象的でした。
③一般問題
一般問題の多く占める公衆衛生は、ICFにおける会社の提案に相当するもの(C41)などの難問もあるものの、例年に比べると細かい統計の解釈などの出題は少なかった印象です。
一方で内科・マイナー分野での難問が目立ちました。心室中隔を灌流している冠動脈(C33)、大腿静脈の周辺解剖(F2)など、解剖の問題も難易度が高く、脳出血の好発部位(A3)では極めて専門的な解剖用語の英語が要求されました。また、特筆すべきは計算問題で、公衆衛生分野で比較的少なかった分、イン・アウトバランスの計算(A75)や、Naの欠乏量の計算(F75)など、体液量にかかわる計算問題が極めて難問でした。
④臨床問題
新しい疾患や知らない疾患が出題されたわけではないのですが、微妙な臨床判断を求める問題が多かったと感じました。子宮頸癌のステージに応じた治療(A55)、肺癌のステージに応じた治療(A62)など、悪性腫瘍のステージに応じた治療を問う問題のみならず、低ナトリウム血症にまず行うべき対応(D53)なども正確な診断が困難で、判断に迷ったのではないでしょうか。原発性胆汁性胆管炎の診断のために行うべき検査(D36)、露出血管を伴わない消化性潰瘍への対応(F65)なども、その疾患に対して行うものが複数選択肢にあることから、いわゆる「割れ問」となっています。
⑤必修問題
時折難問もみられるものの、全体としては正答率8割の確保が難しい内容ではなく、例年通りと感じました。上部消化管内視鏡実施時の体位(B15)など、臨床現場の知識を要求する問題があるのは毎年のことですが、長時間の砕石位による合併症(E14)などの必修レベルとは思えない問題も出題されています。倫理に関する問題は常識的なものや、明らかな誤りの選択肢が含まれていることが多いですが、今回出題された医療倫理の4原則に含まれないもの(E3)などは、どの選択肢もありそうな内容で難しかったと思います。一般問題に難問が比較的多く、臨床問題はスタンダードな内容が多いと感じました。アルコール離脱せん妄で認められる所見(B47)などは、問題文をきちんと読解する必要があるので、慌てずに読むことが大切です。薬剤性心筋症の原因薬剤の知識(E44)も必修レベルではないように感じますが、過去に113F-74(総論)で関連知識が出題されている内容であり、必修かそうでないかを意識せずに学習しておくことも重要です。
⑥メックの医師国家試験対策
難易度は118回に比べると全体的に上昇したものの、近年の国試としては標準的なレベルに戻ってきた印象でした。
特に一般問題は、基礎医学的な知識も踏まえて問われるなど、医学部6年間で習得すべき知識の有無を判定する、国試の意義を再認識させられるような内容でした。
全体としては過去問ベースの問題や過去問そのままの画像も多く、過去問の重要性は依然として変わりません。しかしながら、従来よりも細かい知識を問われたり、新たな問われ方をしたりと、雰囲気で覚えている程度の知識では太刀打ちできない問題も散見されました。その結果、選択肢を絞り込み切れず、自信をもって解答できない問題が複数ある状態で解き進めねばならないような状況となった人も多いでしょう。また、禁忌とされる内容から作られたであろう選択肢もいくつか見受けられ、「現場で絶対にやってはいけないことを確実に除外できるか」という点でも頭を悩ませたことかと思います。国試は長丁場の試験で肉体的に厳しいものですが、今回の国試は精神的にも厳しい戦いだったかもしれません。
とはいえ、一部の難問を除けば、しっかりと問題文を読み、臨床文などから状況を的確にとらえ、「まず」、「優先的に」など何が問われているかを把握し、判断することができれば解ける問題と、過去問ベースの平易な問題で構成されていました。時間をうまく使いながら確実に正答を導くことができれば、自ずと合格ラインにたどり着けるような問題群でした。
今後も、習得すべき知識の範囲をやみくもに広げたり掘り下げたりする必要はなく、明確にレベル分けされた令和6年版医師国家試験出題基準(ガイドライン)に沿って、取捨選択すればよいと考えます。出題者が「知っておいてほしい」というレベルを理解し、確実に習得することが重要であり、この点では予備校教材の活用にメリットがあります。
基礎~CBT~臨床医学の流れから実際に医師になるための大きなステップとして、必要な知識を問う集大成が国試であるということを印象づけたような第119回医師国家試験。あらためて、医学部入学時からのすべての知識は、その先に医師に繋がっているということを意識しながら学習する大切さは、今後国試を受験する皆様へのメッセージといえるでしょう。
2025年2月11日
MEC 医学評価センター国試分析チーム
(メック講師・企画部・制作部)
第119回医師国家試験の施行
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試験期日
令和7年2月8日(土曜日)及び9日(日曜日)
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試験地
北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県及び沖縄県
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試験内容
臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能
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受験資格
- 学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者(令和7年3月10日(月曜日)までに卒業する見込みの者を含む。)
- 医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経たもの(令和7年3月10日(月曜日)までに実地修練を終える見込みの者を含む。)
- 外国の医学校を卒業し、または外国で医師免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)または(2)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定したもの
- 沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令(昭和47年政令第108号)第17条第1項の規定により医師法の規定による医師免許を受けたものとみなされる者であって、厚生労働大臣が認定したもの
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受験手続
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試験を受けようとする者は次の書類等を提出すること。
ア すべての受験者が提出する書類等
(ア)受験願書
医師法施行規則(昭和23年厚生省令第47号)第3号書式により作成するとともに、受験願書に記載する氏名は、戸籍(中長期在留者については在留カードまたは住民票、特別永住者については特別永住者証明書または住民票、短期在留者については旅券その他の身分を証する書類)に記載されている文字を使用すること。(イ)写真
出願前6月以内に脱帽正面で撮影した縦6センチメ-トル、横4センチメ-トルのもので、その裏面に「(イ)」の記号、撮影年月日及び氏名を記載し、厚生労働省または医師国家試験運営本部事務所若しくは医師国家試験運営臨時事務所において交付する受験写真用台紙に貼り付けた上、同台紙に所定の事項を記入して提出すること。
なお、写真の提出にあたっては、卒業し、若しくは在籍している大学または医師国家試験運営本部事務所若しくは医師国家試験運営臨時事務所において、その写真が受験者本人と相違ない旨の確認を受けること。
※郵送により本人確認を受ける際は、写真が付してある身分証明書等(コピー不可。個人番号カード不可)及び(ウ)とは別に返信用封筒(郵便番号、宛先及び宛名を記載し、身分証明書等の返送に必要な郵便切手を貼り付け、書留の表示をしたもの)を同封すること。(ウ)返信用封筒
縦23.5センチメートル、横12センチメートルのもので、表面に、郵便番号、宛先及び宛名を記載し、590円(定形郵便110円+一般書留480円)の郵便切手を貼り付け、書留の表示をすること。イ 4の(1)に該当する者が提出する書類 卒業証明書または卒業見込証明書
この場合、卒業見込証明書を提出した者にあっては、令和7年3月10日(月曜日)午後2時までに卒業証明書を提出すること。ウ 4の(2)に該当する者が提出する書類
医師国家試験予備試験の合格証書の写し(医師国家試験運営本部事務所または医師国家試験運営臨時事務所に合格証書の原本を提示し、原本照合を受けたもの)または合格証明書及び実地修練施設の長の発行する実地修練を終えたことを証する書面または実地修練を終える見込みであることを証する書面
なお、実地修練を終える見込みであることを証する書面を提出した者にあっては、令和7年3月10日(月曜日)午後2時までに実地修練を終えたことを証する書面を提出すること。
※郵送により原本照合を受ける際は、医師国家試験予備試験の合格証書の原本及び返信用封筒(郵便番号、宛先及び宛名を記載し、合格証書の原本の返送に必要な郵便切手を貼り付け、書留の表示をしたもの)を同封すること。エ 4の(3)または(4)に該当する者が提出する書類
医師国家試験受験資格の認定書の写し(医師国家試験運営本部事務所または医師国家試験運営臨時事務所に当該認定書の原本を提示し、原本照合を受けたもの)
※郵送により原本照合を受ける際は、医師国家試験受験資格の認定書の原本及び返信用封筒(郵便番号、宛先及び宛名を記載し、認定書の原本の返送に必要な郵便切手を貼り付け、書留の表示をしたもの)を同封すること。 -
受験に関する書類の受付期間、提出場所等
ア 受験に関する書類は、令和6年11月1日(金曜日)から同年11月29日(金曜日)までに提出すること。
イ 受験に関する書類を郵送する場合の提出先は、医師国家試験運営本部事務所とする。
ウ ただし、下記に掲げる医師国家試験運営臨時事務所においては、受験に関する書類を直接持参する場合について、その提出を受け付けることとする。
北海道 ランスタッド・札幌支店
宮城県 ランスタッド・仙台支店
東京都 ランスタッド・試験監督事業部
愛知県 ランスタッド・名古屋伏見事業所
大阪府 ランスタッド・難波支店
広島県 ランスタッド・広島支店
香川県 ランスタッド・高松支店
福岡県 ランスタッド・福岡支店
沖縄県 人材派遣センターオキナワエ 受験に関する書類を直接持参する場合の受付時間は、アの期間中毎日(土曜日、日曜日その他の行政機関の休日を除く。)午前9時から午前12時までと、午後1時から午後5時までとする。
オ 受験に関する書類を郵送する場合は、書留郵便をもって送付すること。この場合、令和6年11月29日(金曜日)までの消印のあるものに限り受け付ける。
カ 受験に関する書類を受理した後は、受験に関する書類の返還及び受験地の変更は認めない。
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書類の提出については次のことに注意すること。
ア 4の(1)に該当する者で卒業見込証明書を提出したものにあっては、令和7年3月10日(月曜日)午後2時までに卒業証明書の提出がなされないときは、当該受験は原則として無効とする。
イ 4の(2)に該当する者で、実地修練を終える見込みであることを証する書面を提出したものにあっては、令和7年3月10日(月曜日)午後2時までに実地修練を終えたことを証する書面の提出がないときは、当該受験は原則として無効とする。
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受験手数料
ア 受験手数料は、15,300円とし、受験手数料の額に相当する収入印紙を受験願書に貼ることにより納付すること。この場合、収入印紙は消印しないこと。
イ 受験に関する書類を受理した後は、受験手数料は返還しない。
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受験票の交付
受験票は、郵送により交付する(令和7年1月上旬発送予定)。なお、令和7年1月27日(月曜日)までに受験票が到着しない場合は、医師国家試験運営本部事務所に問い合わせること。
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合格者の発表
試験の合格者は、令和7年3月14日(金曜日)午後2時に厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページにその受験地及び受験番号を掲載して発表する。
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受験に伴う配慮
視覚、聴覚、音声機能または言語機能に障害を有する者で受験を希望する者は、令和6年10月1日(火曜日)までに医師国家試験運営本部事務所に「国家試験の受験に伴う配慮事項申請書」を用いて申し出ること。申し出た者については、受験の際にその障害の状態に応じて必要な配慮を講ずることがある。
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手続及び問い合わせ先
- 試験に関する手続及び問い合わせ先は下記のとおりとする。
医師国家試験運営本部事務所
東京都江東区有明3丁目6番11号
TFTビル東館7階
郵便番号 135-0063
電話番号 03(5579)6903 -
5の(2)のアの期間に、受験に関する書類を直接持参する場合の提出先は下記の試験地を管轄する医師国家試験運営臨時事務所とする。
※医師国家試験運営臨時事務所での電話受付は行っておりません。電話での問い合わせは医師国家試験運営本部事務所(03-5579-6903)へお願いします。
試験地 医師国家試験運営臨時事務所 北海道 ランスタッド・札幌支店 国家試験係
北海道札幌市中央区北四条西4丁目1番3号
伊藤ビル5階 電話番号 03(5579)6903宮城県 ランスタッド・仙台支店 国家試験係
宮城県仙台市青葉区中央1丁目2番3号
仙台マークワン15階 電話番号 03(5579)6903東京都
新潟県ランスタッド・試験監督事業部 国家試験係
東京都江東区有明3丁目6番11号
TFTビル東館7階 電話番号 03(5579)6903愛知県
石川県ランスタッド・名古屋伏見事業所 国家試験係
愛知県名古屋市中区栄1丁目24番15号
JPR名古屋伏見ビル2階 電話番号 03(5579)6903大阪府 ランスタッド・難波支店 国家試験係
大阪府大阪市浪速区難波中2丁目10番70号
パークスタワー10階 電話番号 03(5579)6903広島県 ランスタッド・広島支店 国家試験係
広島県広島市中区本通6番11号
明治安田生命広島本通ビル8階 電話番号 03(5579)6903香川県 ランスタッド・高松支店 国家試験係
香川県高松市番町1丁目6番8号
高松興銀ビル8階 電話番号 03(5579)6903福岡県
熊本県ランスタッド・福岡支店 国家試験係
福岡県福岡市中央区天神1丁目6番8号
天神ツインビル9階 電話番号 03(5579)6903沖縄県 人材派遣センターオキナワ 国家試験係
沖縄県那覇市久茂地1丁目7番1号
琉球リース総合ビル9階 電話番号 03(5579)6903 - 試験に関する手続及び問い合わせ先は下記のとおりとする。
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受験願書等の請求方法について(受験願書配布時期 令和6年10月中旬以降)
受験願書を含め、受験手続きに必要な書類は各大学において入手する方法の他に、下記の方法により、医師国家試験運営本部事務所若しくは医師国家試験運営臨時事務所または厚生労働省からも入手することができる。
- 郵送による請求
下記要領1~3により、医師国家試験運営本部事務所(請求先住所等は8の(1)のとおり)または厚生労働省医政局医事課試験免許室宛て請求すること。なお、手元に到着するまで、1週間程度かかることから、早めに請求すること。要領1 返信用封筒の作成
・封筒の大きさ
角2(縦33cm×横24cm、A4版の用紙が折らずに入るもの)
・封筒表面には下記(1)~(3)を必ず記載すること。
(1)返信先(請求者)の郵便番号
(2) 〃 住所
(3) 〃 氏名*記載漏れ等がある場合には返信できないこともあるので注意すること。
・封筒に180円切手を貼付すること(普通郵便物、定形外郵便物、100gまで)(1部、60g程度)。
なお、速達郵便で請求する場合は480円切手を貼付すること。
要領2 願書請求用紙の作成
・願書請求用紙を印刷し、必要事項を記載
*以下3点を記載したメモ用紙でも差し支えないが、記載漏れ等がある場合には返信できないこともあるので注意すること。
・請求を希望する職種(医師)
・必要部数
・請求者情報(氏名・連絡先(自宅電話番号、携帯番号等))
要領3 要領1により作成した返信用封筒及び要領2により作成した請求用紙の郵送
要領1により作成した返信用封筒と要領2により作成した請求用紙を封筒に入れ、医師国家試験運営本部事務所または厚生労働省医政局医事課試験免許室あて請求すること。作成した返信用封筒は折り曲げて差し支えない。郵送する封筒の大きさは問わない。ただし、切手料金不足があった場合は、受領できないことがあるので注意すること(普通郵便物、定形郵便物、50gまで、110円切手)。
以下の資料を送付するので、受領後、送付物を確認すること。(1)受験願書
(2)受験要領
(3)受験写真用台紙 - 窓口での請求
医師国家試験運営臨時事務所(所在地は8の(2)のとおり)または厚生労働省の受付窓口(医政局医事課試験免許室)にて、希望する職種(医師)について必要部数を請求すること。
ただし、庁舎へ入館する際に写真付身分証の提示が必要になる場合がある。また、中央合同庁舎第5号館に入館の際は訪問先の担当職員への事前登録と、写真付身分証が必要になるので注意すること。
窓口は行政機関の休日を除く、午前9時から午前12時までと午後1時から午後5時までであること。
また、駐車場は利用できないため他の交通機関を利用すること。
- 郵送による請求
-
災害等の対応について
災害等によって国家試験の時間等に変更が生じた場合は、厚生労働省ホームページに掲載する。
-
試験委員
第119回医師国家試験 試験委員(令和6年7月1日発表)氏名 委員長 金城 紀与史 副委員長 福島 裕之
委員 青木 茂 赤坂 憲 秋岡 祐子 朝比奈 真由美 荒川 敏 井口 清太郎 石木 寛人 石毛 美夏 石島 旨章 石丸 裕康 市場 正良 稲葉 裕 稲森 正彦 犬飼 道雄 井上 茂 井濱 容子 今村 英仁 岩﨑 真一 岩瀬 明 上原 由紀 宇於崎 宏 大塚 崇 大平 善之 大脇 哲洋 岡崎 賢 岡山 雅信 小川 弘子 尾島 俊之 小田原 俊成 小野 政徳 加治 建 金沢 景繁 金子 祐子 河内 泉 菊池 健太郎 岸邊 美幸 北島 美香 栗田 浩樹 古和 久朋 近藤 英治 齋藤 登 坂上 拓郎 櫻井 大樹 佐々木 陽典 佐治 久 佐田 憲映 佐々 直人 佐野 厚 島村 和男 杉浦 一充 鈴木 映二 鈴木 麻衣 鈴木 亮 外園 千恵 高月 晋一 髙橋 愼一 高橋 宏典 竹島 太郎 谷垣 伸治 多林 孝之 筑田 博隆 知花 なおみ 辻 哲也 土屋 静馬 時松 一成 猶木 克彦 長江 千愛 中川 義久 長田 太助 中村 京太 中村 桂子 名越 究 西尾 妙織 西尾 善彦 西山 充 野口 輝夫 野崎 実穂 野村 恭子 馳 亮太 長谷川 俊史 秦 広樹 福原 浩 藤野 善久 北條 麻理子 堀 寧 本多 奈美 牧野 真太郎 三井 貴彦 三原 弘 三牧 正和 宮城 悦子 武笠 晃丈 村田 顕也 森 龍彦 森下 英理子 守谷 俊 八重樫 牧人 安岡 秀剛 安田 真之 矢野 晴美 八尋 英二 山口 順子 山口 泰弘 山﨑 悦子 山田 隆之 山本 俊幸 横堀 將司 萬 知子 渡辺 昌文 ※五十音順(敬称略)
※個人情報保護の観点から、所属、担当回、専門領域は掲載いたしません。
※ 出典 厚生労働省HP・「医師国家試験の施行について」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/ishi/※参考 厚生労働省HP・「令和6年版医師国家試験出題基準について」(厚生労働省)
医師国家試験出題基準
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000128981_00001.html
医師国家試験とは
受験資格
医師国家試験は、日本で医師として働くために必要な医師免許を取得するための国家試験です。大学で6年間の医学部課程を修了し、卒業資格を得た人が受験できます。
また、海外の医学校を卒業した人、海外で医師免許を取得した人は、厚生労働省の「医師国家試験受験資格認定」の審査を通過することで、医師国家試験を受験することができます。
試験日程
試験は年に1度、2月の「土日2日間」の日程で行われます。
受験手続
医師国家試験へ出願するには、出願書類を用意し、11月中に「医師国家試験運営本部事務所」への提出することが必要です。
現役生は、各大学が書類を手配や出願を取りまとめてくれるケースが多いですが、既卒生などの個人申込の場合は自分で書類の手配や出願をする必要があります。
受験票の交付は、現役生は大学がとりまとめて受領し、個人申込の場合は1月下旬に郵送されてきます。
合格率・合格基準
<合格率>
約10,000人が受験し、その合格率は例年90%前後です。
<合格基準>
医師国家試験合格のためには以下3項目の基準を満たす必要があります。
- 必修問題は80%以上の得点(絶対基準)
- 必修を除く一般/臨床問題の得点がボーダー以上(相対基準)
- 禁忌肢の選択が基準数以下(絶対基準)
必修問題を80%以上の得点とすること、禁忌肢の選択を基準数以内におさえること、必修を除いた一般/臨床問題をボーダー以上得点することではじめて医師国家試験に合格となります。
試験概要
2日間で合計400問、試験時間計13時間40分です。
1月に交付される受験票にて、その年の時間割を確認できます。
問題構成
問題形式は、医師に最低限必要な知識が問われる「必修」、疾病ごとの知識を問われる「各論」、疾患を跨いで横断的な知識が問われる「総論」の3つに分類され、それぞれ症例ではなくあるキーワードについての知識が問われる「一般問題」と、症例文を読み、それについての所見や対応が問われる「臨床問題」から構成されます。
<必修>
50問×2日間の計100問。一般問題25問、臨床問題25問で構成されます。
基本的知識だからこそ、合格ライン8割(得点160点/200点)という絶対基準が設定されています。
<各論>
75問×2日間の計150問。一般問題15問、臨床問題60問で構成されます。
疾患の症状や検査、診断、治療などのテーマ。科目別、臓器別に分類され、個々の疾患に対する知識が問われます。
<総論>
75問×2日間の計150問。一般問題35問、臨床問題40問で構成されます。
解剖、生理、症候、検査、治療、診察、保険医学、法律といった、医学・医療全体に関わるテーマ。基礎的な知識と各科目を横断する幅広い知識が問われます。
試験の傾向
医師国家試験は、医師に求められるものの変化にあわせて出題傾向も変化してきました。第118回からは新しいガイドラインとなり、近年社会的に注目されている概念や、実臨床を意識した問題からの出題が見られるなど、新しい知識を求められるケースも多くなっています。
医師国家試験の勉強法についてお困りごとのある方は、是非メックのサービスをご利用ください。
第118回
医師国家試験情報はこちら
第118回医師国家試験 合格発表
■第118回合格発表日
2024年3月15日(金)
■第118回合格率
受験者数: 10,336名 > 合格者数:9,547名 > 合格率: 92.4%
■第118合格基準
第118回医師国家試験の合格基準は、必修問題は一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、各々1問1点とした上で、(1)から(3)のすべての合格基準を満たした者を合格とする。
(1) 必修問題を除いた一般問題 および臨床実地問題 |
230点以上/300点 |
---|---|
(2) 必修問題 | 160点以上/200点 |
(3) 禁忌肢問題選択数 | 3問以下 |
第118回医師国家試験 大学別合格率
大学名 | 総数 | 新卒 | 既卒 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出願者数 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | 出願者数 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | 出願者数 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | |
北海道大学 | 124 | 122 | 110 | 90.2% | 115 | 113 | 107 | 94.7% | 9 | 9 | 3 | 33.3% |
旭川医科大学 | 151 | 150 | 134 | 89.3% | 133 | 133 | 125 | 94.0% | 18 | 17 | 9 | 52.9% |
弘前大学 | 164 | 163 | 144 | 88.3% | 147 | 147 | 136 | 92.5% | 17 | 16 | 8 | 50.0% |
東北大学 | 142 | 140 | 135 | 96.4% | 131 | 130 | 127 | 97.7% | 11 | 10 | 8 | 80.0% |
秋田大学 | 134 | 134 | 129 | 96.3% | 128 | 128 | 126 | 98.4% | 6 | 6 | 3 | 50.0% |
山形大学 | 130 | 129 | 124 | 96.1% | 116 | 116 | 114 | 98.3% | 14 | 13 | 10 | 76.9% |
筑波大学 | 143 | 142 | 137 | 96.5% | 137 | 136 | 132 | 97.1% | 6 | 6 | 5 | 83.3% |
群馬大学 | 140 | 139 | 135 | 97.1% | 129 | 129 | 129 | 100.0% | 11 | 10 | 6 | 60.0% |
防衛医科大学校 | 82 | 72 | 70 | 97.2% | 76 | 66 | 64 | 97.0% | 6 | 6 | 6 | 100.0% |
千葉大学 | 115 | 115 | 111 | 96.5% | 108 | 108 | 106 | 98.1% | 7 | 7 | 5 | 71.4% |
東京大学 | 129 | 127 | 116 | 91.3% | 118 | 118 | 111 | 94.1% | 11 | 9 | 5 | 55.6% |
東京医科歯科大学 | 115 | 112 | 107 | 95.5% | 109 | 107 | 104 | 97.2% | 6 | 5 | 3 | 60.0% |
新潟大学 | 127 | 126 | 118 | 93.7% | 120 | 119 | 116 | 97.5% | 7 | 7 | 2 | 28.6% |
富山大学 | 118 | 114 | 106 | 93.0% | 112 | 109 | 104 | 95.4% | 6 | 5 | 2 | 40.0% |
金沢大学 | 142 | 138 | 126 | 91.3% | 125 | 121 | 117 | 96.7% | 17 | 17 | 9 | 52.9% |
福井大学 | 127 | 125 | 117 | 93.6% | 122 | 120 | 115 | 95.8% | 5 | 5 | 2 | 40.0% |
山梨大学 | 128 | 124 | 117 | 94.4% | 116 | 112 | 109 | 97.3% | 12 | 12 | 8 | 66.7% |
信州大学 | 123 | 122 | 113 | 92.6% | 113 | 112 | 109 | 97.3% | 10 | 10 | 4 | 40.0% |
岐阜大学 | 120 | 120 | 112 | 93.3% | 112 | 112 | 108 | 96.4% | 8 | 8 | 4 | 50.0% |
浜松医科大学 | 125 | 125 | 118 | 94.4% | 119 | 119 | 113 | 95.0% | 6 | 6 | 5 | 83.3% |
名古屋大学 | 114 | 113 | 108 | 95.6% | 104 | 103 | 103 | 100.0% | 10 | 10 | 5 | 50.0% |
三重大学 | 139 | 137 | 129 | 94.2% | 133 | 133 | 127 | 95.5% | 6 | 4 | 2 | 50.0% |
滋賀医科大学 | 129 | 124 | 116 | 93.5% | 124 | 119 | 114 | 95.8% | 5 | 5 | 2 | 40.0% |
京都大学 | 125 | 123 | 111 | 90.2% | 108 | 108 | 103 | 95.4% | 17 | 15 | 8 | 53.3% |
大阪大学 | 119 | 118 | 110 | 93.2% | 107 | 107 | 104 | 97.2% | 12 | 11 | 6 | 54.5% |
神戸大学 | 134 | 133 | 126 | 94.7% | 122 | 122 | 120 | 98.4% | 12 | 11 | 6 | 54.5% |
鳥取大学 | 129 | 128 | 117 | 91.4% | 120 | 120 | 111 | 92.5% | 9 | 8 | 6 | 75.0% |
島根大学 | 114 | 114 | 103 | 90.4% | 97 | 97 | 93 | 95.9% | 17 | 17 | 10 | 58.8% |
岡山大学 | 132 | 129 | 120 | 93.0% | 120 | 118 | 113 | 95.8% | 12 | 11 | 7 | 63.6% |
広島大学 | 133 | 130 | 119 | 91.5% | 116 | 116 | 113 | 97.4% | 17 | 14 | 6 | 42.9% |
山口大学 | 119 | 119 | 108 | 90.8% | 109 | 109 | 103 | 94.5% | 10 | 10 | 5 | 50.0% |
徳島大学 | 126 | 126 | 111 | 88.1% | 122 | 122 | 111 | 91.0% | 4 | 4 | 0 | 0.0% |
香川大学 | 124 | 123 | 114 | 92.7% | 118 | 117 | 110 | 94.0% | 6 | 6 | 4 | 66.7% |
愛媛大学 | 118 | 118 | 108 | 91.5% | 111 | 111 | 105 | 94.6% | 7 | 7 | 3 | 42.9% |
高知大学 | 128 | 127 | 112 | 88.2% | 118 | 118 | 109 | 92.4% | 10 | 9 | 3 | 33.3% |
九州大学 | 131 | 129 | 111 | 86.0% | 120 | 119 | 105 | 88.2% | 11 | 10 | 6 | 60.0% |
佐賀大学 | 105 | 103 | 98 | 95.1% | 99 | 97 | 95 | 97.9% | 6 | 6 | 3 | 50.0% |
長崎大学 | 137 | 136 | 122 | 89.7% | 125 | 125 | 116 | 92.8% | 12 | 11 | 6 | 54.5% |
熊本大学 | 129 | 119 | 111 | 93.3% | 115 | 107 | 103 | 96.3% | 14 | 12 | 8 | 66.7% |
大分大学 | 116 | 113 | 107 | 94.7% | 103 | 103 | 102 | 99.0% | 13 | 10 | 5 | 50.0% |
宮崎大学 | 116 | 115 | 106 | 92.2% | 107 | 106 | 100 | 94.3% | 9 | 9 | 6 | 66.7% |
鹿児島大学 | 117 | 113 | 108 | 95.6% | 105 | 105 | 104 | 99.0% | 12 | 8 | 4 | 50.0% |
琉球大学 | 107 | 107 | 101 | 94.4% | 100 | 100 | 96 | 96.0% | 7 | 7 | 5 | 71.4% |
札幌医科大学 | 121 | 120 | 114 | 95.0% | 112 | 112 | 107 | 95.5% | 9 | 8 | 7 | 87.5% |
福島県立医科大学 | 136 | 134 | 127 | 94.8% | 129 | 128 | 125 | 97.7% | 7 | 6 | 2 | 33.3% |
横浜市立大学 | 100 | 99 | 96 | 97.0% | 97 | 96 | 95 | 99.0% | 3 | 3 | 1 | 33.3% |
名古屋市立大学 | 115 | 115 | 113 | 98.3% | 111 | 111 | 109 | 98.2% | 4 | 4 | 4 | 100.0% |
京都府立医科大学 | 118 | 118 | 111 | 94.1% | 109 | 109 | 106 | 97.2% | 9 | 9 | 5 | 55.6% |
大阪公立大学 | 107 | 107 | 102 | 95.3% | 102 | 102 | 99 | 97.1% | 5 | 5 | 3 | 60.0% |
奈良県立医科大学 | 117 | 117 | 106 | 90.6% | 109 | 109 | 103 | 94.5% | 8 | 8 | 3 | 37.5% |
和歌山県立医科大学 | 113 | 113 | 97 | 85.8% | 107 | 107 | 94 | 87.9% | 6 | 6 | 3 | 50.0% |
岩手医科大学 | 136 | 130 | 117 | 90.0% | 116 | 112 | 105 | 93.8% | 20 | 18 | 12 | 66.7% |
自治医科大学 | 128 | 122 | 122 | 100.0% | 127 | 121 | 121 | 100.0% | 1 | 1 | 1 | 100.0% |
獨協医科大学 | 128 | 116 | 110 | 94.8% | 120 | 108 | 104 | 96.3% | 8 | 8 | 6 | 75.0% |
埼玉医科大学 | 136 | 136 | 128 | 94.1% | 125 | 125 | 119 | 95.2% | 11 | 11 | 9 | 81.8% |
杏林大学 | 124 | 118 | 111 | 94.1% | 115 | 109 | 108 | 99.1% | 9 | 9 | 3 | 33.3% |
慶應義塾大学 | 115 | 113 | 108 | 95.6% | 111 | 110 | 108 | 98.2% | 4 | 3 | 0 | 0.0% |
順天堂大学 | 137 | 136 | 134 | 98.5% | 137 | 136 | 134 | 98.5% | 0 | 0 | 0 | 0.0% |
昭和大学 | 131 | 129 | 123 | 95.3% | 125 | 123 | 121 | 98.4% | 6 | 6 | 2 | 33.3% |
帝京大学 | 127 | 122 | 113 | 92.6% | 103 | 100 | 98 | 98.0% | 24 | 22 | 15 | 68.2% |
東京医科大学 | 116 | 111 | 108 | 97.3% | 111 | 106 | 104 | 98.1% | 5 | 5 | 4 | 80.0% |
東京慈恵会医科大学 | 109 | 109 | 100 | 91.7% | 103 | 103 | 98 | 95.1% | 6 | 6 | 2 | 33.3% |
東京女子医科大学 | 127 | 127 | 117 | 92.1% | 107 | 107 | 103 | 96.3% | 20 | 20 | 14 | 70.0% |
東邦大学 | 139 | 138 | 128 | 92.8% | 121 | 121 | 115 | 95.0% | 18 | 17 | 13 | 76.5% |
日本大学 | 152 | 148 | 140 | 94.6% | 129 | 125 | 122 | 97.6% | 23 | 23 | 18 | 78.3% |
日本医科大学 | 129 | 128 | 126 | 98.4% | 125 | 125 | 124 | 99.2% | 4 | 3 | 2 | 66.7% |
北里大学 | 137 | 120 | 116 | 96.7% | 130 | 114 | 112 | 98.2% | 7 | 6 | 4 | 66.7% |
東海大学 | 154 | 137 | 129 | 94.2% | 124 | 109 | 109 | 100.0% | 30 | 28 | 20 | 71.4% |
聖マリアンナ医科大学 | 123 | 121 | 117 | 96.7% | 109 | 107 | 105 | 98.1% | 14 | 14 | 12 | 85.7% |
金沢医科大学 | 131 | 118 | 97 | 82.2% | 119 | 107 | 92 | 86.0% | 12 | 11 | 5 | 45.5% |
愛知医科大学 | 128 | 122 | 118 | 96.7% | 124 | 120 | 118 | 98.3% | 4 | 2 | 0 | 0.0% |
藤田医科大学 | 130 | 123 | 119 | 96.7% | 126 | 120 | 117 | 97.5% | 4 | 3 | 2 | 66.7% |
大阪医科薬科大学 | 122 | 119 | 114 | 95.8% | 114 | 111 | 108 | 97.3% | 8 | 8 | 6 | 75.0% |
関西医科大学 | 133 | 132 | 120 | 90.9% | 122 | 122 | 112 | 91.8% | 11 | 10 | 8 | 80.0% |
近畿大学 | 115 | 106 | 99 | 93.4% | 109 | 100 | 94 | 94.0% | 6 | 6 | 5 | 83.3% |
兵庫医科大学 | 116 | 114 | 113 | 99.1% | 113 | 111 | 110 | 99.1% | 3 | 3 | 3 | 100.0% |
川崎医科大学 | 161 | 133 | 120 | 90.2% | 145 | 117 | 107 | 91.5% | 16 | 16 | 13 | 81.3% |
久留米大学 | 129 | 119 | 101 | 84.9% | 117 | 107 | 97 | 90.7% | 12 | 12 | 4 | 33.3% |
福岡大学 | 131 | 126 | 106 | 84.1% | 118 | 113 | 96 | 85.0% | 13 | 13 | 10 | 76.9% |
産業医科大学 | 111 | 100 | 99 | 99.0% | 109 | 98 | 97 | 99.0% | 2 | 2 | 2 | 100.0% |
東北医科薬科大学 | 105 | 102 | 97 | 95.1% | 104 | 101 | 96 | 95.0% | 1 | 1 | 1 | 100.0% |
国際医療福祉大学 | 133 | 132 | 131 | 99.2% | 132 | 131 | 130 | 99.2% | 1 | 1 | 1 | 100.0% |
認定及び予備試験 | 274 | 270 | 145 | 53.7% | 161 | 159 | 94 | 59.1% | 113 | 111 | 51 | 45.9% |
総計 | 10,614 | 10,336 | 9,547 | 92.4% | 9,716 | 9,489 | 9,048 | 95.4% | 898 | 847 | 499 | 58.9% |
第118回医師国家試験 概要
実施日:令和6年2月3日(土曜日)及び4日(日曜日)の2日間実施。
1日目
A | 9:30~12:15/165分 | 75問 | 各論 | 一般:15問・臨床:60問 (5肢1択:65、5肢2択:5、5肢3択:4、計算:1) |
---|---|---|---|---|
B | 13:35~15:10/95分 | 50問 | 必修 | 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問 (5肢1択:50) |
C | 16:00~18:30/150分 | 75問 | 総論 | 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問 (5肢1択:64、5肢2択:8、5肢3択:1、計算:2) |
2日目
D | 9:30~12:15/165分 | 75問 | 各論 | 一般:15問・臨床:60問 (5肢1択:62、5肢2択:8、5肢3択:4、計算:1) |
---|---|---|---|---|
E | 13:35~15:10/95分 | 50問 | 必修 | 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問 (5肢1択:50) |
F | 16:00~18:30/150分 | 75問 | 総論 | 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問 (5肢1択:64、5肢2択:8、5肢3択:2、9肢1択:1) |
第118回医師国家試験 総評
第118回医師国家試験が終了いたしました。受験生の皆様、2日間大変お疲れ様でした。
昨年新しい医師国家試験出題基準(ガイドライン)が公開され、新しいガイドライン下での初めての国試となりました。国試前はガイドライン改訂についての不安を訴える学生も散見されましたが、結果的には例年と大きく変更のない、スタンダードな国試であったと感じます。むしろ、例年少なからず存在する、「専門医でも意見が割れる問題」や「出題者の意図を汲まなければならない問題」は比較的少なく、クオリティは高かったように感じました。
近年の国試は「新しい薬剤や近年注目されている概念」と「実臨床で使える知識」を問う問題が増加しているという特徴があり、今回もそれらは色濃く反映されていました。偏見・スティグマを軽減するアプローチ(C27)や、持続可能な開発のための2030アジェンダ〈SDGs〉(F28)などは、近年社会的に注目されている概念についての出題です。慢性心不全の予後を改善する薬剤(D32)や、腎機能低下を抑制する薬剤(D46)では、近年の医療現場では欠かせない薬剤となっているSGLT2阻害薬が出題されています。抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎で注意すべき合併症(D19)では、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の合併症(116D-44)に続き、10年前には誰も知らなかったような知識が要求されており、新しい知識を積極的に身に付けていかなければいけない時代になっていると強く感じました。
実臨床を意識した問題は、例年通り特に必修で多く認められました。創部処置後の患者指導(B36)は、まさに研修医になってから使う知識を問う極めて教育的な内容です。鼻咽頭ぬぐい液の採取手順(E7)は、新型コロナウイルス感染症が出現した現代において全ての医師にとっての必須手技と言え、これも研修医になってから即座に使える知識です。国試は学生を試すだけでなく、研修医へと導く「教材」でもあるのです。また、必修だけでなく各論・総論においても、呼気終末二酸化炭素濃度〈ETCO2〉波形が消失した際に疑うべきこと(F48)や、患者に行われた内視鏡治療(C65)など、極めて臨床的な問題が増加していることも見逃してはなりません。
新傾向の問題に注目が集まりがちですが、大半の問題はやはり基本的な内容、過去問ベースの問題であることに変わりはありません。分時心拍出量を増加させるもの(F13)や、特発性肺線維症の症状・身体所見(A5)、右Babinski徴候が陽性になるもの(C12)などは、CBT的な基礎知識であり落としたくないところです。急性白血病の診断(A15)、球脊髄性筋萎縮症の診断(D56)などは、過去問の画像がそのまま使われており、画像問題が苦手でも過去問演習をしていれば正解できます。漏斗胸(A68)など過去3年以内に出題されている疾患だけでなく、横隔膜弛緩症(A21)や重症心室中隔欠損症(F42)など、より古い過去問で出題された疾患を題材にした問題もあり、より遡った学習も重要と言えました。
①出題形式
(1)問題タイプ別の変化
第118回 | 第117回 | 第116回 | 第115回 | 第114回 | |
---|---|---|---|---|---|
5肢1択 | 355 | 342 | 334 | 338 | 341 |
5肢2択 | 29 | 35 | 44 | 51 | 40 |
5肢3択 | 11 | 18 | 18 | 8 | 16 |
多選択肢問題※ | 1 | 2 | 1 | 1 | 0 |
計算問題 | 4 | 3 | 3 | 2 | 3 |
※6肢以上の選択肢数の問題。
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117回では複数解答を選ばせる問題(5肢2択、5肢3択)がブロック内でランダムに出題されましたが、118回では116回までと同様にまとめて出題されました。
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複数解答(5肢2択、5肢3択)は40問出題されました。国試が400問になった112回以降で初めて出題数が50問未満となりました。
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英語問題は全文英語の問題のみが出題され、117回から2問増加し、4問出題されました(各論臨床・A50、必修一般・B13、E4、必修臨床・E28)。また、全文英語の組合せ問題が初めて出題されました(E4)。
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計算問題(0~9の数字を選ばせる問題)の出題数は117回から1問増加し、4問出題されました。4問出題されたのは111回(国試が500問の時)以来です。なお、117回ではすべて総論で出題されましたが、118回では各論で2問、総論で2問出題されました(各論一般・A75、各論臨床・D75、総論3連問・C73、総論一般・C75)。
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多選択肢問題の出題数は1問のみでした。3連問の中で6肢以上の多選択肢問題が出題されたのは103回以来です(総論3連問・F68)。また、9肢1択が出題されたのは107回以来です。
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下線部5択問題は117回より1問増加し9問出題されました。
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臨床問題の設問内容別で増加がみられたのは、診断を問う問題(118回51問、117回35問)でした。一方、症候・病態を問う問題は減少しました(118回60問、117回72問)。
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正答として「誤り」を選ばせる問題は53問出題されました。国試が400問になった112回以降増加傾向にありましたが、最多であった117回から16問減少しました(117回69問)。
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問題冊子に表やグラフ、イラストなどが図示されている問題は9問出題され、117回より5問減少しました(117回14問)。
(2)画像問題数の変化
第118回 | 第117回 | 第116回 | 第115回 | 第114回 | |
---|---|---|---|---|---|
画像問題数※ | 89 | 110 | 99 | 98 | 111 |
画像点数 | 138 | 179 | 146 | 171 | 171 |
※別冊冊子に画像が提示された問題。
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画像問題数は89問で、117回から21問減少しました(117回110問)。画像問題は国試が400問になった112回以降では初めて出題数が90問未満となりました。
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画像問題1問あたりの画像点数は1.55点で、117回から減少しました(117回1.63点)。
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画像5択問題は117回と同様に7問出題されました。
(3)画像点数の変化
第118回 | 第117回 | 第116回 | 第115回 | 第114回 | |
---|---|---|---|---|---|
頭部CT | 5 | 3 | 7 | 2 | 3 |
頭部MRI・MRA | 4 | 13 | 1 | 8 | 5 |
胸部CT | 8 | 13 | 11 | 15 | 10 |
胸部エックス線 | 8 | 11 | 16 | 13 | 21 |
心電図 | 7 | 8 | 4 | 11 | 5 |
心エコー | 5 | 7 | 3 | 3 | 7 |
腹部CT | 5 | 11 | 12 | 10 | 15 |
腹部エックス線 | 1 | 3 | 1 | 2 | 1 |
腹部超音波写真 | 2 | 3 | 2 | 1 | 4 |
消化管内視鏡 | 5 | 6 | 4 | 6 | 7 |
染色標本 | 6 | 11 | 14 | 10 | 12 |
外観 | 18 | 22 | 15 | 23 | 28 |
器具・手技 | 15 | 6 | 5 | 6 | 4 |
その他CT・MRI・エックス線 | 18 | 29 | 23 | 15 | 30 |
その他 | 31 | 33 | 28 | 46 | 19 |
合計 | 138 | 179 | 146 | 171 | 171 |
-
画像点数は138点で117回から41点減少しました(117回179点)。国試が400問になった112回以降で最少です。
-
種類ごとの点数も概ね減少していますが、頭部MRI・MRAは4点(117回13点)、その他CT・MRI・エックス線は18点(117回29点)と特に著しく減少しました。
(4)その他
なし
②出題科目
(1)内科系
結核(B29)、梅毒(A10、B37)、心筋梗塞(F73~75)、肺塞栓症(A19、F63)など毎年必ず出題される疾患については今回もきちんと出題されていました。これらの基本的な疾患では、従来の知識で解ける問題は確実に得点すべきことは言うまでもありませんが、今回は頻出疾患であってもその知識だけでは解けない問題も散見されました。例えば急性膵炎では、今回は被包化膵臓壊死〈WON〉(D62)という一歩進んだ知識まで要求されています。感染性心内膜炎(A22)ではどの抗菌薬を使用するかまで、発作性上室頻拍(A51)ではアデノシン三リン酸〈ATP〉の投与経路・速度までが要求されており、いずれも難問と言えるでしょう。これらの要求レベルの高い問題については、どこまで正解を目指すべきかは学習状況によるところです。
(2)公衆衛生
例年公衆衛生は難しく感じる学生が多く、今回も後期高齢者医療費の財源負担(F27)や、健やか親子21(第2次)の指標でないもの(F5)など、知らなければ対応のしようがない問題も散見されました。しかしながら、例年に比べると解きづらく感じる問題は少なかったように感じました。共同意思決定〈シェアードディシジョンメイキング〉(E13)、アドバンス・ケア・プランニング〈ACP〉(C71)、在宅勤務(C9)、エボラ出血熱(D2)など、新しい概念や新疾患も多く問われていたものの、常識的な発想で解ける内容になっていたことが大きいでしょうか。
疫学については機械的な計算というよりも統計解析手法(F23)などのより詳細な理解を問う難問が出題されていました。計算問題は例年通り検査後確率の算出(C63)が出題されました。近年重視されている人口分野については標準化死亡比の計算(C22)、総人口が減少に転じた時期(F10)などがしっかり出題されました。
(3)マイナー
マイナーは多くの学生が勉強が手薄になる分野でもあり、その診療科でしか扱わないような疾患が出題されると難易度が大きく上昇してしまいます。ただ今回は尋常性痤瘡(D21)など比較的日常的に出会い得る疾患が問われ、難易度が高すぎないだけでなく、どの診療科の医師になっても使える知識であり良問と感じました。パーソナリティ障害〈パーソナリティ症〉(D59)、漏斗胸(A68)などは一見馴染みがないようにみえても過去3年間に出題があるため、過去問演習をしっかりこなせていれば得点できたのではないかと思います。
(4)その他の科目
-
産婦人科、小児科は例年通り
平均的な国試の内容と言ってよいでしょう。毎回問われる分娩経過(F12、F18)、成長発達(C14、F51)などは変わらずみられましたが、苦手とする学生が多い分野でもあるため苦戦した受験生も多かったのではないでしょうか。前期破水への適切な対応(D43)は今までありそうでなかった問題で難問と言えます。 -
麻酔科、救急、放射線科の出題が目立つ
今回の大きな特徴として、麻酔科、救急、放射線科の出題が目立ちました。いずれも勉強が手薄になりがちな分野ですので、網羅的な学習ができていたかが試されたとも言えるでしょう。特に救急では、外傷の問題として腹腔内圧のモニター(C68)、腎損傷(C50)など、一歩進んだ知識も要求されました。臨床問題だけでなく一般問題でも窒息への対応(E23)、骨盤外傷の診察(F3)などといった難問も多く、救急は出題数が多いだけでなく難易度も高かったように感じました。
③一般問題
一般問題の難易度は例年、公衆衛生の難易度に大きく左右されます。公衆衛生を難しく感じるのであれば、低カルシウム血症と低リン血症を同時にきたす病態(A3)などの頻出事項や、健常者とCOPD患者の肺気量分画(C23)などの基本的な内科問題を確実に得点したいところです。手袋の脱衣の順番(F7)や、ワクチンによる予防効果がある癌(C16)などは、いかにも最近の国試らしい実践的かつ新傾向の問題ですが、冷静に考えれば解ける問題と言ってよいでしょう。摂取カロリーが約80kcalのもの(C28)は、医学に一見関係ないようにみえて、栄養指導という実践的な知識を教える良問です。しかしながらダイエットや筋トレなどの経験がなければ難問といえ、理不尽に感じた学生もいたと思われます。
計算問題はクレアチニンクリアランスの算出(C75)など、比較的計算しやすいものが多かったようですが、Cブロックでは臨床問題でも血清浸透圧の算出(C73)が出題されており、時間配分には注意が必要でした。
④臨床問題
実臨床を強く意識した問題としてはPTPシート誤飲の予防(A39)、ワルファリンが効きすぎている場合の対応(C58)などが印象的でした。C58では「交差混合試験」という、近年出題が噂されていた単語で出てきていますが、言葉だけでなくきちんと内容を理解していないと間違えるため注意が必要です。C型肝炎の第一選択薬(A35)も新しい知識が満を持して出題されました。線維筋痛症の診断(D38)などのほぼ過去問通りの知識で解ける問題、患者に行われた内視鏡治療(C65)などの病棟実習で見ておきたい問題が出題されたところは例年通りです。
⑤必修問題
近年必修の難易度は概ね安定しており、今回も極端な難化はなかったものの、必修1問目の採血できない職種(B1)で面食らい身構えた受験生も多かったものと思われます。静脈留置針による末梢静脈路の確保手技(B5)、鼻咽頭ぬぐい液の採取手順(E7)などの手技の問題は今回も出題され、特に後者は新型コロナウイルス感染症やインフルエンザが猛威を振るう現代においては必須手技であり良問と言えます。採点比重の大きい臨床問題では虫垂炎の腹部診察(E36)など専門医でも戸惑う問題がみられましたが、そのような問題を落としても必修ブロック全体でみれば8割の得点は可能な水準と言えます。
⑥メックの医師国家試験対策と今後のサービス展開
第118回医師国家試験、初日は受験生の皆様も比較的平常心で取り組むことができるような内容だったかと思いますが、2日目は健全な難問と平易な問題が例年レベルのバランスで出題され、国試として解きがいのある非常に良質な内容になっていたと思います。最終Fブロックの連問は最後の思考力と集中力を試されるような内容が並びましたが、国試全体を通して、医師として備えておくべき基本的な資質を見極めようという、出題者の真摯な思いが込められているように感じました。
特に、時代に即したトピックスが多く扱われていたことが印象的でした。例えば、社会問題になりやすい新型コロナウイルスなどの感染症や、高齢者・小児への対応、初期研修医としての対応などで、しっかりした知識と判断力が問われました。一方、世間一般でも話題になりがちな栄養学的な内容やロコモティブシンドロームなどは、より生活に身近な題材を取り上げることで、医学が学問であると同時に、「国民に寄り添うべきものであることをあらためて意識して欲しい」という願いが表れているように思います。
受験生の皆様はまず「国試合格」というところを目指してきました。これから合格の先に何を見るのか-これはとても多くの選択肢が広がってきていると思います。しかし、実際に幅広い選択肢をもつことができるかどうかは、個人の見識やポテンシャルによって大きく左右されます。
メックでは、利用者の皆様がより多くの選択肢をもてるよう、学習だけでなく、医学生から医師の生活の中で、様々なコミュニケーション・体験・情報を得られるような環境を、『MEC Net.』や『ドクスタ』などを中心に提供しております。
患者様や医療従事者を含め、あらゆる人たちと関わり合いをもつ中で、想像力をもって接することができるかどうかは非常に重要です。ちょっとしたきっかけで視野は広がり、少しでも興味のあるものには積極的に飛び込むことで、どんどん世界は開けていきます。
毎年医師として羽ばたいていく皆様が、あらゆる場所でそれぞれの能力を発揮し、ご活躍されるよう、メックでは常に新しいサービスを提供し、サポートしてまいります。皆様と共に、より良い未来を築いていく一助となれば幸いです。
2024年2月6日
MEC 医学評価センター国試分析チーム
(メック講師・企画部・制作部)